損益分岐点の売上高は次の式で表される。
損益分岐点(損益分岐点売上高)=固定費÷限界利益率
これまでのことから最初の例題を解いてみる。
表は,ある企業の損益計算書である。損益分岐点は何百万円か。(出典:平成15年 システム監査技術者試験 午前第25問)
ア 250 イ 490 ウ 500 エ 625
まず、限界利益を求めてみる。
限界利益は、「売上高−変動費」であるから、次のようになる。
700−(100+40)=560
次に、限界利益率は、「限界利益÷売上高」であるから、次のようになる。
560÷700=0.8
最後に、損益分岐点は、「固定費÷限界利益率」であるから、次のようになる。
(200+300)÷0.8=625
となり、正解は「エ」となる。
もうひとつ、次の問題を解きながら、限界利益率や損益分岐点の特徴を確認する。
A社とB社の比較表の分析から,A社の特徴といえるものはどれか。
ア 売上高の増加が大きな利益に結びつきやすい。
イ 限界利益率が低い。
ウ 損益分岐点が低い。
エ 不況時にも,売上高の減少が大きな損失に結びつかず不況抵抗力は強い。
最初の問題と同じように、「限界利益」「限界利益率」「損益分岐点」を確認する。
限界利益
A社:400+100=500
B社:100+100=200
限界利益率
A社:500÷1000=0.5 「イ」×
B社:200÷1000=0.2
損益分岐点
A社:400÷0.5=800 「ウ」×
B社:100÷0.2=500
ここまでで、「イ」と「ウ」は該当しないことがわかる。
次に、「限界利益率」が利益の増える割合を示していることから、限界利益率が高ければ高いほど、売上が増えた時の利益が大きいことがわかる。となると「ア」が正解となる。
ちなみに、「エ」は固定費が少ない場合の条件となる。