カリント日記

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2005年1月2日(日) 

新年会。



べろんべろん。


これが限界。

2005年1月3日(月) モノポリー

「モノポリー」というゲームをご存知だろうか。
土地を買占めホテルを建て、ライバルを破産に追い込むゲームである。

このゲームを勝つために重要なのが「運」ともうひとつ、「交渉術」。
土地を独占するためには同一地域の土地の権利書を購入しなければならないが、運悪くそれが他人の手に渡ってしまったとき、いかに交渉してその権利書を手に入れるかが重要なのである。
あと一箇所の権利書を手に入れることが出来ればその地域を独占できるとき、是が非でもそれを手に入れたい。
その権利書を手に入れることによって膨大な富を手に入れることが出来、勝利に近づくからだ。

人手に渡ってしまった権利書を手に入れるためにいろいろな方法がとられる。
しかし、相手もそれを手放す事によって自分の身に危険が迫る可能性もあり、簡単には手放せない。

定価の倍以上の値段で買おうとするもの。
自分の持っている権利所の中から相手の欲しそうな権利書をちらつかせ交換を持ちかけるもの。
それらの複合技で迫ってくるもの。

我が家は今、そのモノポリーがブームである。
家族みんなでやり、「よし、その土地を1億で買おう」などと言う会話が飛び交う。
なんとも景気のいいゲームである。

2005年1月4日(火) 人間の驕り

「子供と親のどっちを助けるか?」

昔お酒を飲んでいるときに人に問われた事がある。
そしてそのときのやり取りが記憶に残り、今も時々思い出す。

こんなくだらない問題の答えを間違ったり、答えるのに時間のかかる奴がいる。
そしてその人はこう答えた。
「親」。

さすがだと思った。
さすが「人間様」だ、と思った。
数千万種類いるといわれている生き物の中で唯一とも言える希少な存在だ。
生き物の種類の中で頂点だ。
人類の鏡だ。

私は顔では笑っていたが心でこう考えていた。
 親を助けるというお前はいずれ自然に淘汰されるだろう。
 いや、されるべきだ。
 お前のDNAは決して残すべきではない。
と。

今年も自分が命を賭する人にとって平和な一年であるように。

2005年1月5日(水) 弱い

最近、お酒の加減が出来なくなってきた。

昨日も日記を書いたものの、文章がおかしく、今朝、慌てて修正した。
大して飲んだつもりではなかったのに、今朝は少し酒が残っていた。
元旦に飲んだ量も自分では少し多い程度だったのに、酩酊し、日記は全く書けず、次の日は二日酔いでゴロゴロしていた。
酒に弱くなったのか。

だから今夜は久しぶりにコーヒーにしてみた。
でも日記が進まない。

冬休みで子供が夜更かししているため、嫁さんとの会話の量も減り、それでネタがなくなってきたのか。
酒を飲むと饒舌になるのと同様、コーヒーじゃ筆も、いや、キーパンチも捗らないのか。

ああ。
すぐ酒に頼ってしまうところまでも酒に「弱く」なった。

2005年1月6日(木) メニューより始よ

長男がまだ2歳ぐらいのとき、嫁さんと三人で東京の友人のところへ遊びに行った。
その晩、新宿で焼肉を食うことにした。

せっかくなのだからと連れて行かれたところは高層ビル街。
55Fにある「焼肉」の店に行った。
その頃の長男を野放しにすると落ち着いて食事を出来る状態ではなかったので個室を希望した。
「個室は別料金をいただくことになりますが」。
そう言われて案内された部屋は足元までガラス張りの12畳ほどの部屋。
さすがに部屋代6000円のことはある。

場所と高さがその値段なのだろう。
最初は値段にビックリしたが大人6人で割ってこの雰囲気を味わえるなら決して高くないと思った。

私がいつも一杯飲む店も大阪屈指の高層ビル街の23Fにある。
そしていつもの席は窓に面しており、大阪の町を一望にできる。
新宿の55Fには及ばないものの、23Fで夜景が一望に出来る店はそうそうない。
場所によっては別料金をとられてもおかしくないだろう。

なのに。
なのに、この店は人が少ない。
昨日は一組も客が来なかったそうだ。
原因は何処にあるのか。
尋ねてみたところ、昨日は店の前まで来たグループがメニュー見て帰ってしまったそうである。

なんとか人を惹きつけることは出来ないものか。
そう思って私は、メニューをもらって帰ってきた。
私がこのメニューを書いたなら、もっと集客力があるだろう、そう思って。

2005年1月7日(金) 育児

よくWebサイトのコラムを読む。
少子化のことについての記載を見つけた。

そこには育児休暇を取った男性が会社で苦労している話が載っていた。
出世が遅れるなどの扱いを受けたらしい。
奥さんが仕事をしており、その仕事が忙しくなってしまったために育児休暇をとったというのだ。
そして奥さんの代わりに3時間おきの授乳やオムツの取替えをしていたらしい。

女性の社会進出大いに結構。
父親の子育て大いに結構。

しかし。
乳幼児にとって必要なのは母親だという事を忘れてはいけない。

母親の胸からでる乳は赤ちゃんに飲ませるためのもの。
母親の体が父親よりも柔らかいのは赤ちゃんを優しく抱きしめるため。
育児には創造的なことよりも同じことをこつこつ繰り返すことを要求されるがそれに適しているのも男性より女性。
5歳ぐらいまでは圧倒的に母親による育児が必要なのである。
父親は母親の家事を軽減すればいい。

いつもは遠くから温かく見守り、たまの休日には遊んでやる。
そしてイザというときに全てを投げ出して家族を守る。
それが父親の役目だ。

2005年1月8日(土) 今日の夫婦の会話

恵まれた環境に育ったお陰でお金に苦労する事も無く、自分の稼ぎは趣味に費やす事の出来る人がいる。
そういう人を私は鼻で笑っている。
家族を守るために男は仕事をしているのだ。
家族を幸せにしてこそ男として生きている価値があるのだ。
苦労する必要が無いからと何も努力せずに豚のように生きる人間をさげすみ、家族とより幸せに生活する事にオオカミのように貪欲に生きて行ってこそ人間だ。

そう、思っている。
でも立場が変われば私も黄色い豚だ。

戦渦におびえる事も無く、食べるものにも困らない、この飽食の国、日本に生まれている事自体、既に苦労しない生活なのだ。
その中で多少努力したからといって、趣味に金を費やす人間と私は五十歩百歩だ。

ストリートチルドレンと呼ばれ、劣悪な環境の中で育ち、そして日本では中学生で子ども扱いされている年齢の子供が、ある国では母親として子供を育てている。
毎日の自分の生活にも困るだろうに、自分が親に捨てられた事の悲しみと不幸を我が子には味合わせまいとして、必死で「子供」を育てている「子供」がいる。
もちろん満足に病院へ行く金もなければ、援助もない。
たった半日の入院後、すぐに食べ物を探さなければ我が子に与える乳も出ない。

そんな環境で生き抜く立派な子供に比べれば、毎日の飲酒で腹部に脂肪を蓄えた亡国の中年男が幾ら頑張ろうが、そんなやつは黄色い醜悪な豚に過ぎないのだ。

2005年1月9日(日) お気に入り

家の近くに100円ショップがある。
といっても販売の中心は文房具や生活雑貨ではなく、コンビニと同じくお菓子やインスタント食品である。

100円ショップなので商品はどれでも100円均一であるが、コンビニで100円以上で売っている商品もかなり多く、有名メーカーのインスタントラーメンやソフトドリンクなどが100円で、しかも24時間いつでも手に入れられるのは非常にありがたい。

そこで販売しているインスタントラーメン(袋入のもの)にお気に入りの激辛ラーメンがある。
その辛さたるや半端じゃない。
この寒い季節でも汗が噴出し、暖房を切ってシャツ一枚になりたくなる程である。
そのラーメンに私は同じく100円の野菜の細切れ詰め合わせを入れて一緒に煮込むのが好きだ。
もともとそのラーメンは5分間熱湯でゆでるタイプで通常のものよりコシが強く、かなり煮込んでも麺が伸びてしまう事はない。

その100円ショップが出来る前は店内に軽食コーナーのあるコンビニで学生に人気があったが、過当競争のためかつぶれてしまった。
そして出来たのが100円ショップ。
残念ながらアルコールは販売していないが、私の愛用率は高く、末永く営業して欲しいものだ。

2005年1月10日(月) 「フリーター」は「職業」じゃないよ

中学生になれば大人の仲間入りをするような気がしていたのは小学生の頃。
中学生になると「高校生になれば」と思い、高校生になると「大学生になれば」と思っていた。
いつのときも、大人になるのはまだ数年先のことと思いつつ、でもその年代になれば自分はまだまだ子供だ、若造だと思っていた。
ようやく大人の仲間入りをしたと実感したのは子供が幼稚園へ行き始めたころか。

今日は各地で成人式が催された。
親の金で大学へ通う「成人」、親に食事を作ってもらう「成人」、そして親に晴れ着を買ってもらう「成人」。
そんな「成人」が「今日から大人だ」と大はしゃぎしている。
かわいいもんだ。

成人の日の意味が「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」というものならば、本当に祝ってもらえる青年は一割にも満たないのではないだろうか。

それでも、その少数の青年たちが意を決する機会であるならば、盛大に祝ってやりたい。
おめでとう。新成人諸君。

2005年1月11日(火) そんな細かい事

スマトラの地震の影響で地球の自転時間が100分の2.68秒ほど縮んだそうだ。

ものの単位にはその基本となるものが用意されている。
例えば「メートル」。
もともとは北極から赤道までの子午線の長さの1000万分の1の長さを1メートルとしたのだが、今では切り口が「エ」の字型をした「メートル原器」と呼ばれる棒を基準にしている。
あ、今回もまた過去の記憶を元に話をしているので間違っていたらご容赦いただきたい。
金属で出来ているが温度による伸び縮みがないものでかつ、ある温度のときの長さだ(ったような気がする)。

また、「キログラム」。
これも水1リットルの重さが基準である。水は温度による体積変化が激しいのでこちらも水温が決められている。「摂氏4度」(だったか)。
でも今は、「キログラム原器」なる金属のおもりが存在する。
私が見たときは三重(さんじゅう)のガラス容器に入れられていた。
これの複製を使って世界各地の秤の重さ調整がされている。
地球の自転による遠心力で場所によって重さが変わるため、秤はその地域ごとに微調整しなければならない。

そして、「秒」。
もともとは地球の自転が基準だったが誤差のあることが解り、やがて公転を基準にするようになった。
しかしそれでもまだ近年の「秒」を正確に測るには誤差があるため、原子の出す放射線の周波数を基準になった。
その放射性元素も時代とともに変わり、今はセシウムが用いられている(はず)。

悠久の時を生きてきた人類が100万分の2.68秒の誤差を見つけてしまえる時代を少し寂しく感じたりもする(かも)。

2005年1月12日(水) 天かける白鳥座もいいけれど

新幹線から見た上弦の月を眺めて考えた。

横道十二星座の中でその姿を実際に確認した事があるのは、闘神の公転軌道と同じほどの直径を誇るという赤色巨星「アンタレス」をアルファ星に持つ星座だけ。

なのに、その星座に破れたため対極のこの時期に現れる勇者の星座は、老星「ベテルギウス」や若星「リゲル」だけでなく、三星はその目印であり、その下に現れる小三星を肉眼で見られるかどうかは星空の美しさを示す基準にもなっている。

他にも柄杓の星座やW字の星座、そして導きの星「ポーラスター」がある。
夜空で一番明るい天狼「シリウス」は「Jupiter」と間違われる事が多い。

夏のほうが夜空に接しやすいにもかかわらず、人が見上げるのは冬の空ばかり。

肩をすくめて白い息を吐きながら二人で肩を並べて歩いた帰り道。
そういえばいつも目の前に「昴」があった。

2005年1月14日(金) 増設

磁気ディスクを増設した。
USBで接続するタイプだ。

以前持っていたノートパソコンは4GBしかなく、デジカメの画像を入れ始めるとあっという間にいっぱいになってしまった。
そこで最初に40GBのUSBディスクを増設した。
もうこれで当分は問題ないと思っていた。

やがてパソコンの能力不足に辟易し、手に入れた新しいパソコンは120GBを内蔵していた。
増設した40GBのディスクもいつの間にかいっぱいになっていた頃に120GBはとても重宝した。
デジカメのデータをどんどん入れた。
調子に乗って今度はデジタルビデオで撮影した動画も入れ始めた。

あっという間に120GBはいっぱいになった。
年賀状を作成するために領域が足りなくなって泣く泣くアプリケーションを削除したりして対応しなければならなかった。

で、今回増設したのは250GB。
本体と連動して電源制御できるタイプ。
しばらくは持つだろう。
と、思う。

2005年1月15日(土) 文字カードの意味

幼稚園の次女は今、文字を書いたり読んだりするのが楽しい時期のようだ。

絵本はもちろん、テレビゲームやパソコンに表示される文字も一所懸命に読んでいる。
難読で親しか読めないような平仮名を白紙を見つけてはすぐに書きたがる。
嫁さんが体調を崩しているときなどは「はやくげんきになってね」などと親泣かせなことを手紙にして渡してくれたりもする。

次女が良く遊んでいる文字カードを見てみた。

  「ほっぺたも ぼうしをかぶって ぽっかぽか」

なんとも微笑ましい情景である。
やはり幼児向けだ。

他のカードも見てみた。

  「うそつきな うさぎのいろは うんちいろ」

なんじゃこりゃ。
文字をそろえたいのはわかるけど「うんちいろ」って。
しかもウサギなのに。

まあ、幼児向けだから「うんちいろ」も許容範囲か。
そう思っていたら、

  「しっぱいを してしまうのが じんせいよ」

幼稚園児に一体なにを悟らせようというのか。

2005年1月16日(日) ヒロイン

こゆうき さくらこ。

だそうだ。

次女は今、自分の事をこう呼んでくれ、という。
(昨日に引き続き次女ネタになってしまった)

冒頭の名前を聞いたとき最初はアニメのキャラクターか何かだろうと思っていた。
この時期、アニメのヒロインになりきって遊ぶ事が多く、普段の会話がセリフ口調になることや自分の名前をヒロインと同じにしたがる事は珍しい事ではない。
でも、私の知っている範囲で思いつくのがなかったので、どうして「さくらこ」なのか聞いてみた。

この前近所の年上の子供と一緒に遊んでいるときにその友達が自分の事を「さくら」と名乗ったのを聞いて年下の自分は小さいから「さくらこ」なんだそうだ。
アニメではなかったのか。
「さくら」というのも勝手につけた名前であって、その友達はそんな名前ではない。
それにしても「さくら」が小さくて「さくらこ」か。
新しい解釈だ。

聞きなれない苗字の「こゆうき」は何処から来たのか。
これも気になって尋ねた。

「白い雪がステキでしょ。だから、『こゆうき』」と答える。
「ゆき」とか「こゆき」ではなくて「こゆうき」なんだとこだわる。

こゆうき さくらこ

うーん。
アニメのヒロインの名前で呼ぶのも恥ずかしいが、この名前も恥ずかしい。
ま、しかし、三日として同じ名前が続く事もないし、大体、自分の名前で呼んでも普通に会話をするのだから、本人が呼んでくれというときぐらいはこの名前で呼ぶことにしよう。

2005年1月17日(月) せめてテレビの前で手を合わせる

前日に寝違えた首の痛みで目が覚めたのは午前5時。
まだ早いと思って再び眠りにつく。
次に目が覚めたのは午前5時40分。
目が覚めて1分もしないうちに目覚まし代わりにセットしておいたテレビのスイッチが入った。

「ふふふ。今日も勝ったな」とひとりほくそえむ。

普段は適当に目が覚めるまで寝ているので目覚ましなどセットしないが、起きようと決めた日は目覚ましをセットする。
しかし、そう思って寝ると目覚ましが鳴る前に目が覚める。
その誤差は30分以下。今日のように1分以下のときもあり我ながら感心する。

あの日は何か得体の知れない恐怖の音に急激に意識が覚醒した。
それが地鳴りとわかった直後、大きく体が揺さぶられた。
瞬間、子供を抱え、嫁さんと一緒にその部屋で一番大きな洋ダンスに、布団をかぶってもたれかかった。
もたれかかっているタンスが倒れてきたら下敷きになり、相当な重さゆえ、かなり苦しいかもしれない。
しかし、離れていると倒れてきたときに端に頭を打ち付け気絶するかもしれない。
家族を守るべき私が気絶するわけには行かず、多少重さで苦しもうとも、家族を懐に抱いてタンスに寄りかかっているほうが賢明である、ととっさに判断したからだ。
体をタンスに預け、四つんばいになり、体の下に嫁さんと子供を抱え込む。

激しい揺れとともにあちらこちらで物の壊れる音がする。
さあこい。倒れてくるなら倒れてみろ。
迫り来る恐怖を打ち払うかのように気合を入れる。

時間にして数秒。

揺れが納まってから台所へ向かう。
部屋の中央には冷蔵庫があった。
食器棚には何も無く、全て下に落ちていた。

その日、朝早くユーザに行く必要があった私はニュースを見る前に仕事に出かけた。
もし、その前にニュースを見ていたならば、仕事などしていなかっただろう。

あの日から私たちは多くの事を学んだ。
災害に対する心構えや万一被害にあったときに支えあう心の大切さを。
しかし、それを学ぶにはあまりにも代償は大きすぎた。

せめて忘れない心を持ち続けるべきだと思う。

2005年1月18日(火) 絶対元気で

「今日はカツカレー330円を食べました。」




「別に書くことがないのならこれを書いているほうがまし」という男がいる。
「前の日記のほうが面白かった」という女がいる。

そういうならお手並み拝見したいものだ。

などと思いつつ、適当に自分の思いつく言葉を書き連ねた文章を読んで批判してくれるなんて、マンツーマンの家庭教師でもなかなかしてくれる事ではなく、頼んでもいないのにそうしてくれる人には酒の一杯をおごっても罰は当たらないだろう。

久しぶりに気の置けない奴と飲んだ余韻に浸りつつ、これから嫁さんと飲むことにする。

これ以上別に書くこともないし、書いたら書いたで「余計な事を書くな」といわれそうだ。

期待するならまた明日も読め。

2005年1月18日(火) 反則の二本目

本当はただの「日記」なんて、くそ食らえ。

人の心に何も生まないものをここにわざわざ書く必要も無い。
ただ、毎日そうやって突っ張る事は難しい。

2005年1月19日(水) 特急は特別

私が利用している京阪電車は、他の多くの私鉄と同様、特急電車だけ車両が異なる。
外装はもちろん、シートも進行方向を向いて座るようになっている。
ちょっと特別の誂えなのだ。

今朝は10時から客先で会議があったのでいつもよりかなりゆっくり家を出た。
寒いホームで電車待っていると「区間急行」が到着するというアナウンスがあった。
電車が来る方向を見ているとやってきたのは特急電車。

京阪電車は複々線なのでその特急電車は追い越し線を走っているのだと思った。
でも、ホームに入ってきて特急の止まるはずのないその駅に止まった。
電車の案内プレートを見ると間違いなく「区間急行」と書いてある。
とても違和感がある。

中がとても空いているので、隣の駅が始発だったらしい。
手近の空いている席に進行方向に向かって腰掛ける。
普段特急電車に乗る事もなく、なんだか遠くまで遊びに行くような気分になる。
走る車窓の景色も普段と違って見える。

いつもの降りる駅に着くまでのしばしの間、特急電車に乗って遠出した昔を思い出し、極小旅行をした気分に浸っていた。

2005年1月20日(木) ペンギン

今日は風が強くそして冷たい日だった。
ビル街を吹く風はコートの隙間から入り込んで体を凍えさせる。

東京のユーザは京葉線沿いにある。
ディズニーランドへ行くときに降りる駅はその隣だ。
あの辺りは海岸も近く、倉庫だらけであまりひと気がない。
実際、私が利用する駅の半径15分以内には人が住んでいないようだ。
半分は公園、半分は道路と倉庫。
その駅だけではない。

東京駅からしばらくは地下を通るが、地上に出ると河口付近に倉庫が立ち並び幹線道路をトラックが走り抜ける、そんな風景がしばらく続く。
ディズニーランドはその敷地内に入ると園内の建物以外の建物が見えないらしい。
外界を見えないようにすることで現実と隔絶された世界を演出する事が狙いのようだ。
東京駅から乗り換え無しでたどり着け、「東京」という名前をつけることができる立地条件を考えるとそこしかなかっただろうと、思うほどに何も無いところだ。

私が利用する駅もそんな何もないところの、しかも高架にある。
待ち時間も半端じゃない。夕方のラッシュ時でも15分待たされる。
風をさえぎるものがないその駅のホームの冬の寒さは一際である。
ちょうど南極のペンギンはこんな感じなんだろうなと実感する。

ああ。来週からまたそこへ通うことになる。
ペンギンに寒さに強くなる秘訣を聞きたい。

2005年1月21日(金) 青函トンネルをくぐって

今日もかなり寒かった。
ペンギンの気持ちがわかる風の吹きようだった。

しかし、私の友達の中には「こんなのは冬じゃない」という友人がいる。
寒い寒いあの東京の吹きすさぶ風の中にいてもなお、「東京には冬がない」と言ってのけた。

友人が言うには「東京に出てきてはじめての冬。これからいよいよ寒くなるぞと覚悟していたら、そのまま春になってしまった」そうだ。
そう、友人は北海道出身。

北海道といえば一昨年の夏、あの寝台列車の最高峰「トワイライトエクスプレス」のコンパートメントを手に入れ、レジャーホテルとレンタカー、川くだりに熱気球と準備万端整えた出発の前日、私は激しい腹痛のためそのまま入院する事になった曰く因縁つきの土地にして憧れの場所。

この寒さを持ってして「小春日和」と言わせしめる友人を生んだ、かの大地に今年こそは一家総出で乗り込んでやる。

2005年1月22日(土) 勉強サイト

久しぶりに日記以外の更新をしようと新しいページを作成し始めた。
言葉を題材に週一回程度の更新を目標にしながら月一回も更新できていない「つるつる」や「掲示板」の書き込みの返事すら十分に出来ていないのに欲張って新しいページを作るなんてと思われるかもしれないが、時期が時期だけにそろそろ始めないと意味がないのだ。
それは「勉強」のページ。

そもそも「チャット」などの連絡手段を構築する目的で始めたこのサイトだが、もうひとつの目標がこの「勉強」だった。
情報処理技術者としていろいろ勉強していくうちに、自分が勉強したい事を集めたサイトがなかったのだ。
また、こうやって自分で勉強のサイトを運営する為にはそれなりに情報収集しなければならず、それご既に勉強になると考えたからだ。

とはいえ、さっきようやく書き始めたばかり。
公開できるのはいつのことか。

2005年1月23日(日) 自宅待機の夜は長い

仕事がら休日や深夜の作業も多い。
今日はユーザで工事があったが特に私の作業があるわけでもなく、かといってコンピュータに全く影響しない工事というわけでもないので、ユーザ先に出向くことなく自宅で待機することになった。

自宅で待機となると万一の「緊急出動」に備え(万一どころか自宅待機のときは五一程度の確率になるが)、大好きな酒を飲んで時間を潰すわけにもいかない。

作業完了時に連絡するようにお願いしているものの、困ったときは連絡があっても順調なときは連絡を忘れがちになるのは誰も同じであり、私も何度か連絡をもらえなかった経験がある。
そのため、作業完了予定時刻近くになると、こちらから連絡を取って状況を確認する。

今日もそんな調子で連絡をした。
すると、なんだか問題が発生している様子。
一通りの指示をして再び連絡を待つ。
待った時間は30分程度だと思うが、その待ち時間の長いこと長い事。

ユーザ先で状況を確認しながらの30分はあっという間の出来事なのに、自宅で過ごすと非常に長く感じられる。
現場の状況は言葉で伝えられ把握しづらい。こちらの指示も正確に伝わったのかどうかわからない。
そんな不安な気分で指示した後は、ただ連絡を待つだけの30分を過ごす。

今日も何度かそれを繰り返し、今も先ほど指示した最後の作業の結果を待っている。

と、ここまで書いたまさにこの時「問題なく完了しました」との連絡が。

さ。飲も。

2005年1月24日(月) バカップル

部屋の角に三角形を作るように金属製の物干し竿が渡してあり、そこにはスーツや上着などすぐに着るものだけを掛けてある。
ただベランダに面したところにあるので、ベランダに出るたびにその上着の下を身をかがめ、あるいは上着を押しのけて通らなければならず、上着はそのたびに大きく揺れる。

パソコンに向かって仕事をしていると、私を愛称で呼ぶ嫁さんの声が聞こえた。
私を二回呼んだその声はとても弾んでおり、私に何かを伝えたいようだった。
振り向く私に「ほらみて」と笑顔で何かを指差している。
指し示す方向を見ると、私の上着の右袖が、まるで肩を抱くかのように嫁さんの上着の肩に乗っかっていた。

上着が仲良くじゃれあっているようにも見える。

「あの上着、私らみたいに仲良しやな」と嬉しそうな顔で嫁さんは話をする。
それを聞いた私が微笑むのを見て、まるで幼稚園に通う次女がするかのように嫁さんは私のひざの上にちょこんと座った。
そして「だいすき」といいながら私に抱きつく。
私も「だいすきやで」と抱き返す。

それを見ていた子供たちは「バカじゃないの?」と言わんばかりに呆れた顔をしている。

そんなこと、言われなくてもわかってる。

2005年1月25日(火) 訪問者倍増計画

10月にこのサイトを開設して3ヶ月が経過した。
最初は何も無い「プレーン」なサイトであったがだんだんと様変わりした。

人に家の玄関に上がりこむような居心地の悪いチャットルームは既に無く、「らしくない」という理由で急遽作った隠しページはアイデアも浮かばずレベル6止まり。
週一回程度の更新を目指すと謳いながらも一月に一回程度の更新の「つるつる」、書き始めたのはいいけれどアップロードする前にくじけそうな「勉強」、時折、思い出したように書き込まれる伝言代わりの「掲示板」。
なにより、既にいくつかのコンテンツを作ったにもかかわらず未だ「当分の間作成中」とトップに記したままのこのサイト。
いったい何処へ行こうとしているのか。

数えてみれば、このサイトを知っているのは、あの3人とこの2人と、あ、そういえばあそこにも1人、で合計わずかに6人。
しかも、最近の私を知っている人ばかり。
昔から私を知っている人に教えるのはなんだか恥ずかしい。
「なんだ。このサイトは。何が言いたいんだか。お前らしくない」とか言われそうで。

何処へ行こうとしているのか、何を言いたいのかよく解らないサイトだけれども、良く考えれば、この日記こそが答えなのかもしれない。
そう思うと、これはこれでひとつのサイトのあり方なのか。

うん。
ぼちぼち増やしていくか。

2005年1月26日(水) 不眠

来週からの出張を前にして仕事が山積み。
行き詰って先へ進めないものあり、アイデアが浮かばずまとめられないものあり。
今度の休日は久しぶりに仕事付けになりそうだ。

とはいえ、家に帰っても酒を飲まずに仕事をし続けると言うほどの気合は無い。
むしろ今日はいつもより早く帰ってきたのでビールを二本買ってきた。
無論、それだけでは足りないのでいつものように焼酎を飲むのだが。

「酔い」は「現実逃避」の表れか。
きっとそのときになって慌てふためくのだろうけれど、それはそれで何とかなるし、なんとかしてきた。
だから今回もなんとかなる。

そう自分に言い聞かせないと、夜も眠れないのだ。

2005年1月27日(木) いや、別にお目当てではないのよ。

既に日付は変わっているが裏技を使って木曜日の日付で日記を書いている。
今ようやく帰宅したところ。
昨日も嘆いたが仕事が忙しい。
(なのに、昼からユーザに出かけて17時過ぎに自宅からメールして来た奴がいる。
 お前、ユーザ先から自宅まで1時間以上かかるだろう!ユーザ先でどれだけ仕事したんだ!
 ってか、仕事か!?今度の休みに何して遊ぶか相談してたんじゃないだろうな!)

さすがにこの時間になって食事するのは体に悪いので今日は19時前に食事をした。
いきなれた食堂に行くと、レジには見慣れないおばさんが。
やたらとキーを入力するのが遅く、やたらと会話がたどたどしい。
なるほど新しいパートのおばさんか。

後には見慣れたにーちゃんがそのおばさんの後ろに立って指導している。
私の番になって精算するとこれまたまごまごしている。
しかも運悪く私は一万円札しか持っていなかった。
一目見てわかるぐらいあたふたしている。

指導のにーちゃんが「すみませーん」といって私の顔を見てはたと何か気がついたように「あ。きょうから○○が出てきてますんでまた行ってやってください」という。
いつもの行きつけの客の少ない店のことだ。
完全に顔を覚えられてしまった。
頼むから話しかけるのは店だけにしてほしい。

○○さん。今日はこの通り忙しくて行けなかった。
来週は東京なので、今度はその次の週だ。

2005年1月28日(金) 相変わらず

長女が小学校を卒業する。
学校では思い出の写真として、自分が小さかった頃の写真を持ってきなさい、と。

押入れ、天井裏、本棚の片隅からアルバムを引っ張り出す。
そうするとお決まりのように目的を忘れて見入ってしまう。

ははははは。
馬鹿笑いするほどの長髪。
ひゃひゃひゃひゃ。
恥ずかしくなるほどのピチピチさ。

子供たちを呼んで、「さーてコレは誰でしょう」なんて恥知らずな問いかけをする。

学生服の第二ボタンまではずし、長髪で少し気取ったような私と、幼さの残るクセっ毛の嫁さんが恥ずかしそうに笑ってこちらを見てる写真は高校一年の頃。

あれから25年。
相変わらず、嫁さんは笑ってこちらを見てる。

2005年1月29日(土) たこやき

大阪名物たこ焼き。
大阪人ならたこ焼き器が一般家庭にある。
ただあるだけじゃなくてちゃんとたこ焼きを作ることが出来る。
我が家にももちろんあるし、幼稚園児の次女以外はみんなきれいにたこ焼きが焼ける。
最近は「たこ焼き粉」なる便利なものが出来たとはいえ、それなりにコツがいるので、練習が必要だ。
私も小さい頃から仕込まれた。
私の母親はプロなのだ。

私の祖父は駄菓子屋を営んでいた。
その店先で屋台のたこ焼きを焼いていたのが私の母親とその妹だ。
私が幼稚園に行く前のことだが駄菓子屋の店先はもちろん、屋台で焼く姿も覚えている。

私が育った家は六畳と四畳半の借家で、幼稚園に行く頃、役目を終えたその屋台は借家の裏庭にひっそりと置かれていて、私はそれを時折ながめ、そこで働いていた母の姿を思い浮かべたりした。

あのときの味は既に記憶の奥底に沈められ、思い出しようも無いが、子供達とたこ焼きを焼くたびに、幼い頃の風景が思い出される。

2005年1月30日(日) サッカー

今日は小学校で子供の集まりがあり、餅つき大会が行われた。
もちろん父兄や有志が集まって準備や後片付け、そして餅つきの指導をする。

前夜のAマッチ観戦でたらふくアルコールを摂取し、気分良く寝ている私以外は、朝早くから出かけていった。
10時過ぎまでゴロゴロしていた私も、このまま休日を潰すのはもったいないし、せっかくなので11時過ぎに家族と合流すべく、小学校へ出かけた。

しかし、どうやら餅つきは既に終わってしまったらしく、大人たちは後片付けをしていた。
校庭を覗くと数人の子供たちがボールを追い掛け回している。
半袖で走り回っているやつまでいる。
この寒いのにバカじゃなかろか、と思ったらうちの長男だった。
長男が私に気がつき、「お父さんもいっしょにサッカーやろ」と声をかける。

準備運動もせずそのままグラウンドへ走りこんでいく。
子供からボールを奪い取るとそのまま一気に相手陣地に駆け込み、そしてゴール直前まで。
と、気持ちはそのつもりだった。
でも、実際は、奪い取ったボールはすぐに奪い取られ、あれよあれよというまに、自陣のゴールへボールが転がっていった。

どれぐらいの時間だろうか、小学生相手に真剣にボールを奪い合って全力で走り回った。
まるで主人が投げたボールを追いかける犬のように。

リレーで走る場合と違い、緩急やバランスをとるために普段使わない筋肉も沢山使った。
さすがに筋肉痛が心配だ。

2005年1月31日(月) 一日目

今日から東京出張。
午前中に快晴の大阪を出発した。
いつものサンドイッチとコーヒーを口にしてのんびりと車窓を眺める。
目覚めのときを向かえて今から活動を始めようとする、朝の光に包まれた町並みがキラキラと輝く。

しかしその景色も京都を過ぎる頃に一変する。
夏場なら鮮やかな緑色の田園風景が広がるその地域を、今は真っ白な雪が覆っている。
空は灰色に沈み、風を切って進む新幹線の窓にはビシビシと雪が突き刺さる。

米原の辺りはいつも雪が多い。
冬場の新幹線に乗ると必ずといっていいほど、この場所で徐行運転になる。
この朝も同じように、この場所に差し掛かるとグンッと体に感じる程にブレーキを利かせ、列車がスピードダウンした。

名古屋を過ぎる頃にはすっかり天候も回復し、終着の東京は大阪と同じように澄み切った青空だった。
さっきの雪景色が幻ではなかったことを、降り立った駅で吐く息の白さを見て改めて確信した。

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