カリント日記

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2005年2月1日(火) 二日目

前日は予定外の障害で全く作業が出来なかったが、段取りに時間を掛けただけあって、この日のうちに遅れを十分に取り戻すことが出来た。
早めに切り上げて帰ろうとするとお客さんから飲みに行きましょうとお誘いが。
二つ返事で話はまとまり、身支度も早々に三人で仕事場近くの駅まで飲みに行った。
入った店は焼き鳥屋で、先客がいたので結構待たされたが、その価値は十分にあると思わせるほど美味だった。

お酒を飲むときの気持ちには二通りある。
仕事を忘れて飲むときと仕事を考えて飲むときと。
仕事柄、接待も多く、仕事を忘れられないことも多いが、やはりお酒は仕事を忘れてのみたい。

残念ながらこの日は仕事を抜けきれないお酒だった。
先のことを計算して飲む酒にはアルコールが入っていないのかもしれない。

2005年2月2日(水) 三日目

前日の酒も残っておらず、すがすがしい気分で目覚める。
ベッド二つ分ほどしかない小さなホテルの部屋。
窓から朝日が差し込むが、外の景色は隣のビルの屋上とその向こうのビルの窓。
そのため見渡す範囲内に人の姿どころか地面すら見当たらない。

出張のときにホテルから眺める風景と言うのはとても新鮮なものである。
とりわけ、そこで生活する人々の朝の出勤風景を眺めるのは楽しい。
そういう景色が楽しみなのにこのホテルでは味わうことが出来ない。

少し早く出て、近くのファミレスで朝食を摂る。
大きな窓から行き交う人々を見る。
信号が青になった交差点の横断歩道を一斉に横切る人々は、やがてそちらこちらのビルの中に消えていく。
初めてみるこの土地にもたくさんの人がいて、みんな自分の生活を守るために、今日も一日頑張るんだろうな、などと一歩引いたところから眺めている。

背中を丸めて早足に歩く中年男性がその両肩に背負っているものは何なのかを好き勝手に想像しながら、熱いコーヒーをすすった。

2005年2月3日(木) 四日目

「会社を辞めようかと思う」
久しぶりに会った友人は少しやつれた顔でそう呟きながらビールジョッキを静かに置いた。

はっきり言って若くはないし、一から新しい就職先を探すのは難しいだろう。
今までのコネクションで探すか、あるいは全く違う仕事を始めるか。
いずれにしても、それなりの覚悟が必要であることは十分わかっているはずの彼に、こう言わせるのだから、それなりの理由があるようだ。

会社は一人で頑張るところではないし、また、一人で頑張れるところでもない。
彼の現状は、会社を辞めた当時の私と立場こそ違え、気持ちは同じだった。
組織の中にいるはずなのに味わう孤独感、といったところだろうか。

一人ものなら「そんな会社、早く辞めろ」と言うところだが、彼にもまた守るべきものがある。
無責任なことはいえない。

ただ、私が会社を辞めようか迷っていたとき、嫁さんが言ってくれた言葉に私は一歩を踏み出すことが出来た。
「いつも言ってるでしょ。笑ってキスできるだけの生活が出来ればいいって。なんとかなるよ」

彼が踏み出すか引きとどまるか。
いずれにしてもすっきりとした朝が早く彼の元に訪れますように。

2005年2月4日(金) 最終日

新幹線の中から夕日を見ていた。
大きく真赤な太陽が山裾に消えていく。
赤い空が紫色になり、濃紺からやがて黒へと変わる。

飛び過ぎてゆく街の灯りを目で追いかけるのも疲れ、ボーっとしていると視線を感じた。
窓に映る自分の視線に。
真っ暗な窓に私の顔が映る。

今回の仕事はどうだった?
私は私のできることを成し遂げたか?
私で無ければ出来ないことをやったか?
私の存在意義はそこにあったか?
次々に沸き起こる疑問。自問自答を繰り返す。

久しぶりにアルコール無しで新大阪に戻る。
今日は金曜日だ。家に帰って嫁さんと飲もう。
駅の売店でアルコールを買って家に戻ると、嫁さんがいつものように笑って出迎えてくれた。
ここには確実に私の存在意義がある。

2005年2月6日(日) もちろん異常なし

土曜日は一日中嫁さんが仕事をしていたので日記が書けなかった。

今日は午前中に車のディーラーから電話があった。

「お車の定期点検なんですが」

そういえば購入して一年になる。
出張中にも電話があったそうだ。
有償の点検だが仕方あるまい。

代車を用意してくれるというので、私と出かけるのが何かと好きな長女と次女、そして嫁さんと一緒に、12時ごろに車を持っていった。
ディーラーにつくといつもの担当者が出迎えてくれる。
ハッピを着ている。
そういえば何かフェアをやっていた。

外は寒く、車を預けてすぐに帰りたかったので早速、代車のところへ行った。
用意してあったのはかわいらしい軽自動車。
代車と言えばボロボロの車を予想していたのに、軽自動車と言えども、用意されていたのは販売中の車種だった。

嫁さんと結婚する前に手に入れた軽自動車は長女が生まれてもしばらくは乗っていた。
その頃の車に比べればなんとゴージャスな。
運転席はおろか助手席にもエアバッグ。集中コントロールのパワーウィンドウにキーレスエントリー。
それにパワフルで静か。

ただひとつ、あのころの軽自動車と変わらないもの。
それは助手席の近さ。
この助手席との距離は、嫁さんとドライブを重ねたあの頃と今も変わらない。

2005年2月7日(月) 雨降られ

久しぶりに雨に降られた。

そういえば最近はいい天気が続いていた。
大阪と東京を行ったりきたりで上手い具合に雨を避けてきたようだ。
これも晴れ男のなせる業か。

元来、雨は嫌いではないが傘が嫌いだ。
少々の雨なら傘を差さない。
もちろん今日ぐらいの雨なら傘はいらない。
でも、さすがにびしょ濡れになってしまうほどの雨には傘を差す。
だからそんな雨が嫌いだ。

しかしこれも度が過ぎて、滝のように降る雨は潔くて好きだ。
傘が役に立たないほどの雨なら開き直ってパンツまでぐしゃぐしゃにしたいほどだ。
子どもの頃は本当にそうなるまで雨の日でも外で遊んでいたが、今そんなことになったらきっと家に入れてもらえない。

傘の何処が嫌いなのだろうか。
手が塞がってしまう不便さか。
それともすぐに折れ曲がって使い物にならなくなるひ弱さか。
持っていて楽しくなるような傘を手に入れれば、雨の日も楽しいはずなのに。

あ。一週間前じゃないか。バレンタインデー。
もしかしたら今年はゼロかもしれないぞ。

2005年2月8日(火) スタンプ5つです

「全部いっときました」
そういって渡されたカードを見ると5つのスタンプ。
スタンプカードを殆ど持つことの無い私だが、この店だけは持っている。
一回の来店で1つのスタンプ。
なのに今日は5つのスタンプ。

いつもの行きつけの店、最近は忙しくてなかなか顔を出せず、今週も忙しくて行く暇がないと思えたが今日は時間が空いたので顔を出した。(もちろん接待だぞ。)
いつものように生中を二つ。

そして、その後にキープしてあった焼酎のボトルを飲んだ。
残りわずか1センチ。
あっという間に無くなった。
で、新しいボトルを注文。
(でもあれにサインしてないぞ)
一口だけ飲んでお会計。

スタンプカードは既に19枚目。
1枚あたり15個のスタンプなので250回以上来店していることになる。
間違いなく店の一番のお得意さんだろう。

2005年2月9日(水) サッカー

勝った!

2005年2月11日(金) 変声期

代表戦の次の日は大抵二日酔いの上、声が出ない。

二日酔いするのがわかっていたので、あらかじめ栄養ドリンクを飲んで備えていた。
90分でノルマの3リットルを飲み干し、2時ごろまでスポーツニュースを見まくっていた。
それでも次の日は休暇をとっていたにもかかわらず、朝六時に目が覚めてユーザへの連絡も済ました。
電話の声は寝起きの上、前夜の声援のせいで涸れてしまっていたため自分でも耳を疑うような酷い声だった。

昼過ぎから近所のお得意さんが家にやってきた。
(来客用のお菓子も準備万端に整えていた。)
昼を過ぎても声はまともに出なかった。

私のおかしな声を聞いた客人は「風邪?忙しかったからなあ」という。
慌てて嫁さんが「違う違う。昨日は試合やったから」というと「ああ、そうかぁ。心配して損した」といわれた。

夜になって家族麻雀をする時間になったが、やっぱり声がおかしい。
そして今、二日目の夜なのに、まだハスキーな声をしている。

もしかして第二の声変わり?

2005年2月12日(土) さぼる

久しぶりに休暇を取った4連休の半ば、特に計画していたわけではないし、何より長男の受験もあったので何処へ行くでもなく、家でゴロゴロしている。
といっても決して暇なわけではなく、確定申告の準備などやらなければならないことはたくさんある。

やらなければならないことがたくさんあればあるほど、何からどのように手をつければよいのかわからなくなり、逆に何もしなくなってしまうことがある。
これが仕事のときとなるととても厄介で、仕事を放棄して逃げ出したくなることがある。
そういうときは無理をせず気分転換に、一時間ほどサボってみる。

もちろんサボればサボるほど仕事が残ってしまって後が大変なのだろうが、そのまま整理できずに闇雲に仕事を片付けていくより、少し間をおいて、優先順位とは無関係に、片付けやすいものをひとつ片付ける。
するとなんだか急に楽になる。
そして改めて作戦タイム。
今度は優先順位をつけてひとつ片付ける。
そうすると、たくさんある仕事のうち、今日中に片付けなくて良いものがあることに気がつく。
いや、もしかしたら、交渉することで先延ばしできるものがあるかもしれない。

手前味噌ながら責任感が強いために、とかく「ナントカしなければ」と自分を追い詰めてしまいそうになる。
よくよく考えれば、自分がそれほど大したことをやっているわけでもないことに気がつく。
そんなに何もかも背負い込んでやるほどのことではないことに気がつく。
その「気がつく」きっかけが「サボり」なのだ。

まあ、そのサボりが「喫茶店でコーヒー」ではなく、「××技術読本」とかを読んでいるのでサボってるんだか勉強してるんだかわからないが、本人がサボっている気分になっているのだからそれはそれでいいのだ。

2005年2月13日(日) ゴールはない

昼過ぎに速達が届いた。
嫁さんは出かけていたので昼間からビールを飲んでテレビを見ていた私が玄関までとりに行った。
A4定型サイズの封書で、宛名を見ると長男の名前になっている。

差出人は私立高校の名前だ。
今日は息子の私立高校合格発表の日だった。
合否判定が輸送されてきたのだ。

封書の厚味で合否がわかるが何も言わずに自室にいた息子に渡した。
私は階下の居間でテレビを見ながらビールを飲み続けた。
5分、10分、15分待っても息子は何も言ってこない。
痺れを切らして私が部屋をのぞくと、ゲームをしている。

「中は見たのか?どうやった?お母さんにも連絡しておくから」
そういうと息子は、今までそんなことは忘れていたかのように、「ああ、合格してたよ」とあっさり答えた。
「おおそうか。よかったな。まずはひとつゲットやな。次は公立やな」そういって私は嫁さんにメールを送るべく再び階下に下りてパソコンに向かった。

受験前、その高校へは息子と嫁さんが見に行ったのだが、さすが私立高校だのことはあってとても立派な校舎と環境だったそうだ。
学校案内など見る限りなかなか良い学校だと思うし、本人が望むならば私は別に私立学校でも良いと思う。
(確かに資金面で苦しいのだが)
しかし、肝心なのは「合格すれば終わり」という考えを持たずに努力し続けること。
そのためには公立高校の受験にもしっかりと挑み、合格を勝ち取って欲しい。

有名高校や有名大学に合格することを目標に努力することはすばらしいが、合格して終わりじゃない。
それをゴールだと勘違いしている人も多い。
大切なのはずっと目標を持って挑戦し続けること。
男なのだから、最低限、仕事をし続ける限り挑戦し続けることが必要だ。

結婚をゴールインだと思っているカップルは失敗する。
高校合格をゴールだと思っているのも同様だ。
将来にわたって、過去の栄光を誇るのではなく、さらに栄光を追い求めることに意味がある。

2005年2月15日(火) バレンタイン

昨日は子どもの合格を祝って知人と酒を飲んだ。
軽く、といったのに痛飲してしまい、日記どころではなくなってしまった。

今年はゼロかもしれないと思っていたバレンタインだったが、どうしてどうして、やるじゃん39才。

いつもお世話になっております、ご近所のお二人さん。
いつもいつもうちの子どもがお世話になっております。
チョコレートをどうもありがとうございました。
カリントも頑張っておりますので、今後ともごひいきに。
ただ、酔っ払った勢いでがっついて食べましたので、どちらがどちらのチョコレートなのかもわからないまま無くなってしまいました。
恐らく最初に箱を開けて一口二口食べた後は子どもに食べまくられたような気がします。

行きつけの飲み屋の店員さん。
「ご注文は?」と聞かれて「生中とチョコレート」と言ったら本当にチョコレートを探して持ってきてくれました。
どこかの誰かが貰ったチョコレートのおすそ分けのように小さなひとつでしたが、わざわざ持ってきてくれたその気持ち、とても嬉しかったです。
ただ、生中とチョコレートは相性が悪いようです。
次回はウイスキーと一緒にお願いします。
これからもカリントのメイン接待場所として利用させていただきます。
ありがとうございました。
あ、そういえば、私、貴方の名前も知りません。
今度またおしえて下さい。

一番以外だったのはお客さんの営業アシスタントさん。
いつも電話では冗談を言っているので、そのつもりでチョコレートの話をしたら、これまた本当に送ってくれました。
ありがとうございました。
良く考えたら、私、貴方の名前はおろか、顔もはっきり知りません。
送られてきた封書の差出人を見て初めて名前を知った次第です。
顔は仕事場で会えばなんとなくわかると思いますが、町ですれ違ってもわからないと思います。

それから、娘と嫁さん。
いつもありがとう。

と、まあ、今年も無事バレンタインを終えた。
今後もこの縁を大切にしたい。

2005年2月16日(水) 夜は6割ダウン

女は子宮でものを考える、とはよく言ったもんだと思う。
男と女がけんかする原因のほとんどはここにある。

女が何か口を喋る。
男はそれを聞いてその言葉の矛盾点を発見してしまう。
女は続けて喋る。
男はますます矛盾点を発見する。
本当に賢い男なら軽く受け流してしまえるのだが、私のように中途半端な男はその矛盾を正さずにはいられない。
そこで思わず、女に聞く。
すると女はビックリする。
え?なんで?なんでそんなことを言うの?

女はただ話を聞いて欲しいだけで具体的なアドバイスを求めているわけではない。
まして自分の言葉に矛盾があるなどと指摘されようとは全く思ってもいない。
女はただ自分の意見に賛同して思い腰を持ち上げて行動してくれる男を望んでいるのだ。

言葉の矛盾を指摘すると、女は感情的になって声を荒げ「あなたはいつもそうよ」という。
「私の何処が間違っているの?貴方は何が言いたいの?」という。
それに対して何か言い返せば「どうして?どうしてそう思うの?」と聞きたがりの幼子のように同じ質問を繰り返す。

きっちり説明しようと思えば説明できるが、そうしてほしければ平日の9時から17時までの間に聞いてくれ。
狩をするときと同じように、頭をフル回転させ綿密な計画を立てて敵をやり込める仕事をこなし、疲れて帰ってきた夜に、もう一度昼間のように頭を回転させてくれと言われても、出来やしない。

だから夫婦喧嘩は夜と日曜日の昼間に起きるのだ。

2005年2月17日(木) いえいえ、まだまだお仕事いたします

今日は久しぶりに暇だった。

いや、仕事が無いわけじゃなく、冷静に考えれば今週中にやらなければならないことや2月中に片付けなければならないことなど指折り数えれば片手では足りないほどなのだが、とりあえず今日中にやらなければならないことが無かった。

12月と1月は不慣れな仕事をしたせいもあって余裕が全く無く、本当に忙しい毎日だった。
今年は正月休みが短かったがそれがかえってよかったと感じたのは初めてのことだ。
そういう切羽詰った感じが昨日まで続いていたがようやく一区切りがつき、その反動で今日は抜け殻のように一日を過ごした。

でも気がつけば今日は木曜日。
今週にやってしまわなければならない仕事は明日中にやってしまわなければならないし、2月中に片付けなければならない仕事は来週中に片付けてしまわなければならない。
日曜日も毎度のごとく仕事だし。

なんだ。結局、暇だったのは今日だけじゃないか。
いや、暇だと錯覚していただけで、結局そのしわ寄せがすぐにくるじゃないか。

しかし、しがない個人事業主。
「忙しい」なんて文句は言えない。
文句を言えば一週間どころか数年は暇になってしまう。
忙しいのは、ありがたやありがたや。

2005年2月18日(金) 栄養ドリンクは飲んだけど

いかん。まずい。
風邪をひいてしまったのかめまいがひどい。
座っているのに立ちくらみがする。

酔っているように頭がふらふらする。
だからビールを飲むことにした。
冷たいビールが美味い。

あれれ?
日記を書くスピードが妙に遅いぞ。
それに書こうと思っていたことが思い出せない。
というか、思い出そうと努力できない。

ううう。
今はまだ7時。
だけど夜中に日記を書く自信が無い。
今日はもうコレぐらいにしておこう・・・。

2005年2月20日(日) 窓あけて

仕事場へ行くのに車を使うことも多い。
今日も午前中の仕事には車を利用した。

そのまま走りに行こうかと思ったがなんだか空模様が怪しく、真赤な車体に雨や泥の汚れは目立ちすぎるので、近所でガソリンを満タンにした後、そそくさと車庫に入れた。
雲に覆われた鉛色の空の下や雨に濡れた黒いアスファルトの上に赤い車はとても映える。
でも、その美しさを保つにはこまめな手入れが必要であり、雨の中を走るなんてとんでもないことなのである。
なんだか矛盾している。

我が家の車庫はとても狭い。
車のドアを全開に出来ないどころか、壁に当たるまでドアを開いても体をねじらなければ出入りできない。
また、普段は全く使わないのだが、1階の廊下から車庫に通じるドアは、万が一の非常時に開閉できるようにしたい。
車を車庫に入れると、その扉は車の左側にある。

つまり、助手席側にスペースをとり、運転席側を壁ギリギリに止めなければその扉は開閉できないことになる。
となると必然的に乗り降りは助手席側から行うことになる。

ところで、最近の車はカードキーと言うのがあって、それを財布などに入れて持ち歩いていると、ドアノブを触っただけで開錠する仕組みになっている。車を離れるときも2メートル離れると勝手に施錠される。
また、カードキー以外にもキーレスエントリーと言う仕組みでは車のキーのスイッチを押すことによってドアの開錠や施錠ができる。
つまり、昔のようにドアに鍵を差し込んで開錠したり施錠したりする機会が少なくなった。
そのような背景もあって、最近は助手席側に鍵穴の無い車も多い。
我が家の車もそのタイプで、助手席側に鍵穴が無い。

そこで問題が発生する。
カードキーもキーレスエントリーもどちらも電池を使うタイプであり、また電磁波を利用して開閉していることから、場合によっては開閉できないこともあるのだ。
事実、カードキーで開錠できない場所もあった。
この開閉できないという事態が我が家の車庫で起きたりしたら、もう何処からも車に乗り降りできず、窓ガラスを割るしかない。

そこで最近は自宅車庫に入れるときは助手席側の窓ガラスを半分あけておくことにした。
これで万一のときでも手を突っ込めば開錠できる。

でもなあ。
不細工だなあ。
半分窓を開けて停まっている姿は。
何か言い方法はないものか。

2005年2月21日(月) おたふく妖精

なるほどこれは「おたふく」だ。
そう思うほどに末娘の顔は丸く腫れ上がっている。

子どもは少なからず丸顔であるが、その丸さの中にあって唯一直線味のある顎のラインがものの見事に丸くなっている。
顎を引いて前を向かせると子どもとは思えないような二重顎になる。
本人もその姿が面白いようで鏡とにらめっこをして負け続けている。

でも笑えるようになったのは今日になってからだ。
昨日までは痛みが酷く、小さな手で両耳の下を押さえて「痛い痛い」と泣くさまは、親にはとても辛いものだった。
痛み止めの頓服を4時間おきに服用していた。
今も冷湿布を貼っている。

明日は幼稚園の「生活発表会」で随分前から「妖精」の役を練習してきたのに、まだ通園するわけには行かず、晴れの舞台に立てなくなってしまった。
引っ込み思案の長女と違ってきらびやかな服を着て人に見せるのが好きな末娘なら、舞台の上でもさぞかし楽しげに演技をするだろうと私も楽しみにしていただけに残念だ。

まあその分、家でやる「妖精ごっこ」の相手をしてやるか。

2005年2月22日(火) 府立高校入試

明日は長男の府立高校入学試験だ。

私立に合格し少し安心はしているだろうが、それでも明日のために遅くまで塾に通いもしたし、親に耳にタコができるほど説教を食らったのだから、後悔しないように全力を尽くして欲しい。

無難な高校を受験させてやっても良かったが、本人に実力がある以上、惜しまず努力をし、それに見合ったところを目指すことが必要だと考えた。
また本人もその努力が報われることが快感であることは学校の定期試験で感じ取っていたようだ。
後は、入学して燃え尽きてしまうことのないよう、絶えず心を強く持って挑んで欲しい。

とはいえ、合格したらしばらくはゲーム三昧にも目をつぶってやろうと思う。

合格発表は一週間後。
また美酒を味わいたいものだ。

2005年2月23日(水) 面接前夜

高校の前期入学試験が終わった。
明日は面接が控えている。

私は仕事柄、人と会話することも多く、そのため聞き上手で話し上手でなければならず、営業トークも技術的な説明も教育的指導もこなさなければならない。
だから人と話すときも、自分の意見や主張を、淀みなく、時には控えめに、時には誇張気味に、思いのままに伝えることができる。
今更面接を受ける機会もないが、5分後に面接があるといわれてもなんら躊躇することなく対応できる。
それだけの場数を踏んできたから当然といえば当然である。

しかし、中学生ではなかなかそうもいかない。
まだまだ自分の意見をまとめることも難しく、それを思いのままに伝えるのは至難の業であろう。
まして、初めての面接であり、親からもプレッシャーをかけられていればなおさらだ。

今日は少しだけ面接の練習をした。
既に学校でも練習しているので基本的なことを話しても「そんなことはしっている」といって聞く耳を持たない。
「志望動機は?」とか「クラブ活動は?」とか「中学生時代に力を入れたことは?」などなど。
だから、面接というより、人と会話するときの基本的なことを注意した。

ちゃんと相手の目を見て話をする。
口ごもらず、はっきりと喋る。
背筋を伸ばす、足を閉じる、貧乏ゆすりをしない・・・。

と、気にしだすときりがないので、こちらも「うんまあ、わかってると思うから、もういいか」と途中でやめてしまった。

今日の試験はまずまずの出来だったそうだ。
その心の余裕を持って面接に臨めば、小細工などしなくても、いつものように物怖じせず、自分の姿を思いのままに表現することができると思う。

2005年2月24日(木) ど根性ガエルの子はど根性ガエル

今日は長男がやけに晴れ晴れしく見える。
胸を張って親と話をしている。

彼はとても辛かったと思う。
この数ヶ月、親の期待を背負い、先生に叱られながら、自分の進む道を探していたことだろう。

手前味噌で申し訳ないが、彼は父親に似て、そこそこ勉強ができる。
だから親としても期待してしまう。
彼の学校の大半が進学すると言う高校であれば、何の苦もなく合格できるのに、親は見栄を張って進学校を進める。
子どももそれに応えようと頑張ってしまう。

彼も親も井の中の蛙かもしれない。
身の程知らずかも知れない。
大海に泳ぎ出て溺れたのならそれでもいい。
その蛙が大海を知ってからが勝負だ。

私の周りの人たちはかなりいい学校を卒業したそうで、それを自慢げに語ってくれる。
ありがたいことだ。
私はむしろ高卒のままにしておいたほうがいいんじゃないかと言われるような大学を卒業した。
そんな私が高学歴の皆様方と肩を並べるかそれ以上の信頼と収入を得ているのだから申し訳ない。

当たり前だ。
「頑張った」ではなく「頑張っている」がものを言うのだから。

2005年2月25日(金) カリントとは別

この前、初めて「海鼠腸(このわた)」を食べた。
読んで字のごとく海鼠(なまこ)の腸だ。
これがまた、磯の香りがして美味しい。

私の前世はサメだったんじゃないかと思うほどに魚が好きで、スーパーの鮮魚売り場では流れ出るよだれを押さえつつ、どの魚にかぶりついてやろうかと目を爛々とさせながら買い物をしている。
水族館で泳いでいる鰯の群れを見てよだれを流したこともある。

このわたはイカの塩辛のような味だが、口に含んだ途端、磯の香りが口の中一杯に広がる。
魚好きで酒好きの私にとって、この食べ物を知らなかった今までの人生は、少し損した気分にさえなった。

私は好き嫌いがほとんどない。
子どもの頃はにおいを嗅いだだけで吐き気を催した貝でさえ、今では好物であり、こうやって日記を書いているときでさえ、その味を想像して湧き上がるつばを抑えなければならない。
5年ぐらい前までは、幾ら食べても太ることはなく、それこそなんでも美味しく食べたいだけ食べていたが、最近は加減しなければ、下腹部がやばいことになってきた。

あまり脂っこいものは食べないようにしているし、糖分だって頭が働くほどにしか摂取しないようにしている。
好きなものが多いのに、これは結構辛いことだ。

お菓子を食べないのはせめてもの救いかも知れない。
特に砂糖にまみれた甘いお菓子は好きじゃない。
なかでも、「かりんとう」は最も嫌いな食べ物のひとつだ。

2005年2月26日(土) 手紙を読まれても

最近は長男の受験のことで家中バタバタしていたが、長女もこの春、小学校を卒業して中学校になる。
昨日の金曜日は最後の授業参観だったようで、あいにく私は仕事で参観できなかったが、嫁さんが参観してきた。

最後の授業参観では、子どもたちが親へあてた手紙を生徒一人一人が読み上げ、読み終えると親に手紙を渡すと言う「儀式」が行われたようだ。
もちろん手紙の内容は親への感謝を示す文面でつづられており、それを聞いて感極まり泣き出す親も少なくなかったそうだ。
中には読んでいる生徒自身が涙声になっていることもあったらしい。

そこへ行くと我が家は嫁さんも長女もドライである。
長女は淡々と手紙を読む。
嫁さんも、他の子どもが「私が病気のときは寝ずに看病してくれてありがとう」とか「ボクが急に病気になったとき、夜中にあっちこっちの病院を探してくれた」というのを聞くと『徹夜?寝てるって。徹夜して体壊したらどうすんの。徹夜で病気が治るわけないやん。親なら冷静にならな。それに病院は自分で探さずに119に電話して聞いたほうが早いで。親なら、頭使わないと』などと考えていたらしく、そこには感動の「か」の字もなかったようだ。

長女の番になって嫁さんは考えた。
「一体何を書くのか」。

長女はわざわざ親を感動させたりするようなことをしない。
恥ずかしいのだろうか。
だから手紙に書く内容にしても「これを書けば親が感動する」なんていうものを思い浮かべることができない。
でも担任の先生としてはなんとか感動する内容に仕上げたいはずである。
そうでなければこんな企画を考えることもないはずだから。

高校を受験した長男は私たちにとって最初の子どもであったため、要領もわからず何事も手間取ってしまう上に、これがまた本当に世話の焼ける子で、苦労した記憶は山ほどある。
しかし、長女はまったく手の掛からない子であり、強く叱った記憶もなければ重い病気で心配したこともない。
むしろ世話の焼ける兄の面倒さえも、とてもよく見るしっかり者の妹である。

だから嫁さんは手紙の内容を全く予想できなかったそうだ。
結局その内容は、兄と一緒に悪いことをして親に叱られたことを反省し、それを感謝していると言うことだった。
私もその手紙を読んでようやく、「ああ。なんだか叱った記憶があったけど、それのことだったか」と思い出したぐらいであり、そもそもその叱った理由が「なんでお兄ちゃんを止めなかったんだ」というものであって、長女自身に何の落ち度もないものだった。
いうなれば、叱らないわけにはいかないのでついでに叱ったようなものだ。

子どもに手紙を読まれて涙する親が多い中、長女はいつもの調子で『これぐらいの手紙で泣かないでねっ!』と言う感じに淡々と手紙を読み、聞いていた嫁さんも「あ、いや、あれは別にそんなに、叱ったとか、そういうわけではなく、それを感謝とか言われても・・・」などと考え、二人の間に「涙、涙の感動」なんて言うのは、微塵もなかったそうだ。

2005年2月28日(月) 強迫観念

なんだかここのところ体の調子が良くない。
別に熱があるわけではないのだが、どうも集中力がなく、体がだるい。
朝もなかなか起きられないし、夕方になると思考が停止してくる。
食欲はあるものの、食べたものがいつまでも消化されない感じで腹部が思い。

酒のせいかもしれない。
最近は酒量も増えてしまった。

それとも精神的なものだろうか。
そういわれれば、仕事もちょっと壁にぶち当たったような感じがするし、確定申告だの資格試験の勉強だのとやらなければならないことも多く、このサイトの更新にしたってそうだ。
日記だけは何とか続けているが、それ以外だってやらなきゃいけないと思いつつ、なかなか手がつけられない。
最近の私の口癖は「ああ。あれをしないといけない」だ。
結局、できないで終わってしまうことが多く、そのまま次に残ってしまう。

今日は酒を飲まずにひとつの仕事を片付けようと思ってパソコンに向かったが、結局この時間になっても半分も終わっていない。

うーん。
絶不調。

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