カリント日記

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2008年12月1日(月) 弱っているとき

やっぱり薬の効き目だろうか。

まず、仕事をしていても「追い詰められ」感があまりない。

すると落ち着いて予定が立てられる。
優先順位がつけられる。
コーヒーはこれが済んでから、と決めて仕事ができる。

あまり薬に頼りたくはないが、自分が弱いときは弱いことを認めるのが、一番いいのかもしれない。

2008年12月2日(火) 夜空の芸術

昨晩、木星と金星が大接近した。
そこに三日月も加わり、美しい夜空の芸術が出来上がっていた。



残念ながら、写真ではわかりづらい。

ぼんやりした光が月で、その左上に木星と金星が並んでいる。

金星は地球よりも太陽に近い場所に位置している。
太陽と地球の間にあるわけだ。

だから、太陽が地球の裏側にあるような、真夜中には決して見えない。
見えるのは、明け方と夕方。
いわゆる「明けの明星」と「宵の明星」だ。
その「宵の明星」のすぐそばに木星がやってきて、月まで顔を出したのだから、これは珍しいこと極まりない。

おそらく、後数十年は同じ光景に出くわすことはないだろう。

貴重な夜空だったのに、きれいなカメラで収められなかったのが残念だ。

2008年12月3日(水) 寝る前の会話

やる気のあるのはいいけれど、今週はずっと終電間際。
それでも仕事を遣り残して帰ってくるよりはよっぽど気分がいい。

明日はいつもより1時間以上、早く仕事が始まるので、早く寝たほうがいいのだが、こういうときこそ、嫁さんとたくさん話がしたい。

それにしても我が家ほど、嫁さんと会話する家庭は珍しいだろう。

仕事がうまく言ったこと、自分の意見が通ったこと、いやな仕事が待っているけれど、こうやって対処していこうと思うということ。
今日一日の報告だけでなく、そのときの自分の気持ち、そこに登場する人物像、そして明日の悪人をいかにして退治するか、そんな話をずっとしている。

そして、その一通りの話を終えて、こうやって日記を書く。
さ、そろそろ、今日一日も終わりだ。
寝ることにしよう。

2008年12月7日(日) 長男の背中

仕事を終えて自宅に戻る。
いつものように居間に入る。

いつもなら帰宅するのは深夜。
その時間にいるのは嫁さんだけ。

しかし今日はそこに長女が待っていた。

「うわーお父さん久しぶり!」

と長女が両腕を広げるので、私も手を広げて、ハグをする。

そしてくつろぐ時間。
しばらく家族の団欒。
長女や次女とテレビゲームをする。
長男は、最近、携帯用のテレビゲームをしている。
話をしても、その携帯用ゲーム機から顔を離さず、「うん」「いーや」と返事をするだけ。
それでも、大事な家族の時間。

しかし、私の頭の中には仕事が一杯。

次女と長女が寝て、日付も変わるころ、嫁さんと長男と三人でテレビを見ながら何気なく話をしている。
でも、長男は相変わらず携帯用のテレビゲームをしている。

私の口から愚痴がこぼれる。

「あーあ。しんどいなあ」

でも、仕事は休めない。
たとえ病気になっても、怪我をしても。

そう思いながら、口走った。

「今、入院するなら仕事も休めるけれど、足を骨折したぐらいなら仕事の行くやろなあ」

そういうと嫁さんが驚く。
「えーっ。そんなときぐらい、仕事休んでよ」

「でも、俺が行かないと」

そういうと、相変わらず、携帯のテレビゲームから目を離さない長男が、そのままゲームをしながらつぶやいた。

「おれが、仕事に行かせへん」

目は画面を見ているが、思いは私に伝わってくる。

「無理して仕事行くなんて。おれが絶対止める」

うれしかった。
嫁さんもそれを聞いてた。

うれしくて、嫁さんに話をして、この長男の言葉を、噛み締めたかった。
しかし、その一言を言うだけで、涙が出てきそうになった。
だから何も言わなかった。

やがて長男は、携帯のゲーム機を持ったまま、自分の部屋に戻っていった。

その背中はとても大きく見えた。

2008年12月8日(月) 週末は仕事

とにかく本業のコンピュータの仕事が忙しくて忙しくて。
年内は休みを取れそうにもない。

5日の金曜日は私がPTA会長を務める高校で学校の協議会が開催された。
どのようにこの学校を運営していくかと言うような話をする。
高校なので、小学校のように黙っていれば地域の住人が入学してくるわけではない。
進学校なら進学校らしいカリキュラムを作り、何より実績を上げなければならない。
学校の運営をどのように取り組んでいくか、そういうことを話し合う会議だ。
私は全保護者の代表として参加しなければならなかったのだが、今回ばかりは仕事が切羽詰っており、どうしても時間の都合がつけられず、やむなく会議を欠席した。
そして、日付の変わる時間に帰宅する途中、市子連の忘年会の二次会に顔を出した。
明日も仕事があるのだが、少し挨拶していくことに。
近くのカラオケボックスで、覚えたての曲を歌う。

不思議なことに、私が歌うと、みんな合唱してくれる。
選曲がいいのだろうか、いつも盛り上がる。
だから盛り上げたいときには、私に声がかかる。

土曜日。
朝からマシン室のあるデータセンターへ。
ラックに組み込まれたサーバを目の前にして、最終のテストを行う。
しかし、マシンのテストには、トラブルがつき物である。
結局、課題を残したまま、日曜日に作業を持ち越すことに。

日曜日。
仕事の内容を書けば、愚痴だらけになってしまう。
コンピュータの仕事と言っても使うのは人間。
仕事で揉めるのはコンピュータとではなく、人間と。
長い長い一日を終えて、帰宅。

月曜日。
今日も本当なら高校で会議があるのだが、やはり時間は作れそうにもない。
夜中の1時ごろからなら時間はあるが。

まだ、12月も始まったばかり。
年末のことを考えると、憂鬱だ。

2008年12月9日(火) 守備範囲

コンピュータには専門分野があって、それぞれに職人的な専門家がいる。
今日もそんな職人の一人と一緒に仕事をした。

私が知らない分野なのだが、わかりやすく説明してくれるし、質問にも明確に答えてくれる。
頭のいい人だと感じる話し方も、好感が持てる。

こういう人と仕事をしていると、気持ちがいい。

昔ならこういう先輩から、少しずつ技術を盗み出し、自分の成長の糧としたはずだ。

今はもう、新しい技術の習得は、新しい仕事が舞い込んでくるかもしれないが、抜け出せなく可能性もあるので、あまり積極的ではない。

自分のできる範囲をやっていこうと決めた。

2008年12月10日(水) だっこーーっ!

最近は、次女がすっかり眠ってから帰宅するのでほとんどないが、仕事から帰ると真っ先に私のところへ飛んでくるのは小学校三年生の次女だ。
私の姿を見ると
「だっこーーっ!」
と飛びついてくる。

スーツ姿の私は
「こら。お父さんがお仕事の服を着てるときはあかん、ていうてるやろ。
 着替えるまで待ちなさい」
そういって、スーツを脱ぎハンガーに掛けている横で次女はその場で駆け足をするように、今か今かと待ち構えている。
スーツから部屋着に着替えて
「おまたせ」
というと
「だっこーーっ!」
と飛びついてくるので、抱き上げてやる。

毎日のことなので、正直、しんどいと思うときもある。
そういう時は
「今日はダメ」
という。
そうすると残念そうにする。

しかし、数秒後には元気になって今まで遊んでいた続きをはじめる。

年が明けて仕事が落ち着いたら、また次女の起きている時間に帰宅できる。
そうすればまた元気のいい、「だっこーーっ!」の声が聞けるだろう。

2008年12月11日(木) ぎゅう

何の拍子だったか思い出せないが、次女と私の間で「1ぎゅう」という単位が生まれた。

私が次女を抱きしめるときの力を相対的に現すもので、おおよそ次の五段階に分かれている。

1ぎゅう:軽く手を添えている程度。このまま立ち上がると次女を落としてしまう。
2ぎゅう:情愛が明確に伝わるほどの力。立ち上がるには次女につかまってもらう必要がある。
3ぎゅう:情愛がかなり深く伝わるほどの力。次女の助力なしに立ち上がり、落とさない程度。
4ぎゅう:激しい情愛に明確な圧迫を感じる力。次女が抜け出そうとしても困難。
5ぎゅう:息を吸い込むことが困難となり、次女がまったく動けないほどの力。

これを徐々に変化させるのが、次女の楽しみだ。

私が座っていると次女は、「○○ちゃん(次女)の特等席」と言いながら、私のひざの上に座る。
そして、「ぎゅう、して」という。
「よっしゃ」と私が返事をすると、うれしそうに「1ぎゅう!」と次女が言う。

「よし。1ぎゅう」と言って手を添えると、「じゃあ、次は3ぎゅう」という。

「よし。3ぎゅう」と言って抱きしめる。

そして今度は恐る恐る、それでも期待しながら「4ぎゅう」という。

「よーし。4ぎゅう!」と力を加える。
「じゃ、じゃ、8ぎゅう・・・」
次女は声を出すのもしんどいようだが、お構いなしに、続けながら返事をする。
「5ぎゅうまでしかない。8ぎゅうなんかでけへん」
「た、たんま、たんま」

それを聞いて力を緩めると、お互いに「ふうーっ」と深呼吸をする。

そして、大きく息を吸い込んだ次女は、「じゃあ、5ぎゅう」。
「よーし」と私が力を入れようとすると、「や、やっぱ、3ぎゅうでええわ」と言う。

滅多に5ぎゅうまで力を出すことはないが、時々、思い出したように「5ぎゅうして」という。
可愛さあまって、怪我をさせないようにしないと。

2008年12月20日(土) 年末

日記は一気に年末へ。

12月20日の日記とはいっても時刻は既に21日の3時を回ろうとしている。
昨日、朝帰り。
つまり、今朝、仕事から始発の電車に乗って帰ってきた。
2時間ほどの仮眠を取り、食事をした後、そのまままた仕事場へ。
そしてそのまま、ずーっと仕事をしている。

私のメインの仕事ではなく、他のグループの支援なので多少は気楽だが、正月を前にして切羽詰った感じが、ビンビンと伝わってくる。

年内にあと、2〜3回はこういう日が来そうな気もする。

2008年12月24日(水) 忙しくても

慌しい季節の一つ目のピークが今夜やってくる。
クリスマスイブだ。

街角でプラカードを持っている人は赤い服に白い髭をつけているし、最近はコンビニの店員だってこの季節は赤い衣装を着ている。

ニュース番組でも季節の話題になると、間違いなく、赤い服と白いひげのサンタクロースがテレビ画面に映し出される。

海外のニュースでも同じだ。
サンタクロースの母国、フィンランドでもトナカイの引くそりに乗った「数人」のサンタクロースがカメラに向かって手を振る。
それを見て小学校三年生の次女が私に話しかける。

「お父さん、あれ、本物のサンタクロースじゃないやんな?」

思わず口から笑みがこぼれる。

「そうやな。本物のサンタクロースは一人だけやし、空を飛べるからな」

そう答えると、次女は納得した様子だ。

「今年は、サンタさんに・・・」

そういって自分のほしいものを言っていた。

おそらく明日の朝、お前の枕元には、サンタクロースからそのプレゼントが届いているはずだ。

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