カリント日記

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2009年4月1日(水) わたぬき

まだ明るいうちに仕事を終えた。
仕事に余裕ができたせいもあるが、日が長くなったことが大きいと思う。

仕事場にある、眺めのいい、行きつけの店に行く。
いつもの窓に面したカウンター席にすわり、生ビールを注文する。

しばし外を眺める。

「ほんと、ここからの眺めはきれいよねー」
と、最近親しくなった店員が、生ビールを持ってきて話しかけてきた。
「うん。この時間の眺めが、一番いい」
私は窓外の景色から視線をはずすこともなく、そう答えた。

ほんのり桜はあけぼの色に染まり、まもなく人がその美しさに酔いしれる予感を漂わせている。

友達と桜の下ではしゃいだ昔を思い出す。
桜の下で過ごした夜は、確かに寒かったけれども、多くの友人たちといれば、それを感じることもなかった。

「四月朔日」と書いて「わたぬき」と読む。
「朔日」とは「一日」を意味する言葉だそうで、まさしく、今日四月一日がその「わたぬき」である。
古くは、着物の綿を抜き、それまでの冬用からこれからの春用へと変えたことが語源らしい。

夜桜の季節を、わたぬきの姿で過ごせたのは、もう、20年ほど昔のことだ。

2009年4月2日(木) 社交辞令でも

三月に入ってから多少仕事に対する気持ちが楽になり、以前のようにうつ状態になることもなくなった。
それは新しい仕事を手がけたからだ。

あるユーザからあるシステム構築に対する見積もり依頼が来た。
といっても直接、私に来たわけではなく、私と一緒に仕事をしているベンダーのところにきたのだ。

こういう見積もり依頼は複数の会社(ベンダー)に提出される。
そして各社から出された提案の中で、もっともふさわしいと思うベンダーを選定して、システム構築の発注を行う。

かなり昔の話だが、公共事業の受注をめぐって開発費用「1円」などという、いわゆる「1円入札」があったのもこの業界だ。
「1円」で落札しても、ハード費用やその後のシステム開発などで、もっと多くの利益を得ることができるため、受注した企業にとっては損にはならないのだ。

当然、今回の競争相手も、それなりの金額で攻めてくるはず。
それだけに見積もりを作成するときは、さまざまな困難があった。

そんな作業を一ヶ月ほど行い、先日、発注元であるユーザ先でプレゼンテーションをしてきたところだ。

そして今日、再びそのユーザを訪れ、説明の補足を行った。

一通り説明が終わると、ユーザの部長が、私と同行したベンダーの社員に言った。
「まあ、○○(ベンダー名)さんに決まりですわ。よかったですな」
それを聞いて、ベンダーの社員は深々と頭を下げた。

続けてユーザの一人が言った。
「まあ、プロジェクトリーダのところに○○(私)さんの名前があるのが、ポイント高いですわ。頼みますよ○○(私)さん」
それを聞いて私も恐縮した。

社交辞令であることは間違いないが、それでもいくつかあるシステムの訴求ポイントを差し置いて、私の名前があるという点を評価していただいたのは、素直にうれしい。

自宅に戻って、いつものように開けた缶ビールだが、ひときわ心地よく喉を通っていった。

2009年4月3日(金) 平和な時間

仕事の切りもよく、こんな日は行きつけの飲み屋で軽く一杯、と思っていたが、あいにく今日は休みだ。
仕方がないので、自宅で飲むことにした。

自宅の最寄り駅の高架下にあるスーパーは、それほど安いわけではないが、惣菜コーナーも充実しており、仕事帰りのビジネスマンをターゲットにしているように思う。
私もそのターゲットとなり、惣菜コーナーで酒の肴を買いあさった。

お気に入りのビールを買い込むと、荷物は一杯になり、今シーズンは今日が最後と決めていたコートが邪魔になってしまった。
仕方がないので、コートに袖を通すと、やっぱり暑い。
昼間のうちに気温が上がり、夕方は余韻が残ってコートを必要としない暖かさになっていた。
急ぎ足で自宅に向かう。

居間に入って荷物を降ろし、コートを脱いでハンガーにかける。

勉強をしている次女と話をしながら、袋からビールを取り出す。
台所では嫁さんが、夕食の支度をしており、「ただいま」と声をかける。
「お帰りなさい」と機嫌のいい返事が返って来るのを聞きながら、食器棚から皿を取り出す。

買ってきた惣菜を皿に盛りつけながら、きゅうりの浅漬けを嫁さんに水洗いしてもらうように頼む。
嫁さんがきゅうりを切ろうとするので、そのままでいいといい、丸のままのきゅうりをがぶりっとやる。
嫁さんが笑う。

居間に戻ると次女がきゅうりを見つけ、食べたいと言うので渡してやる。
ビールを飲みながら、次女と話をする。
いつの間にか次女は、数センチを残して一本きれいに食べてしまった。
あまりの食いっぷりに笑いがこみ上げる。

平和な時間がありがたい。

2009年4月4日(土) 花見の会

今日は高校で「花見の会」が開催されると言うのに、朝から曇り空。
ときおり小雨もぱらつく。

校庭に咲く桜はとても美しく、この学校の名物ともなっている。
そのため地域の人たちにも開放して、お花をご覧いただいている。
それにあわせて、茶道部の生徒による野点や、吹奏楽部による演奏も行われる。

次女と嫁さんを車に乗せて一緒に学校へ向かう。
11時過ぎに到着すると、すでに多くの方々がお見えになっていた。
近くの老人ホームや病院からもおいでいただいている。
ただ、生憎の雨のせいで、桜の木の下でゆっくりくつろいでいただくことができず、校舎の中から見学していただくしかなかった。

私も桜を見たかったが、後援会の人と打ち合わせがあるため、花見は嫁さんと次女に任せて、私は打ち合わせに出た。
打ち合わせは思っていたより長くなり、桜とお茶を堪能した嫁さんと次女は、昼食を食べに出かけてしまった。

打ち合わせを終えて、ようやく時間ができた。

いつもなら外で行われる吹奏楽部の演奏は、1Fのホールで行われることになった。
そこにはパイプ椅子が並べられ、多くの人が腰掛けていた。
車椅子に乗ったままのご老人も数名いらっしゃる。

私もそこに混ざり、椅子に腰掛けて演奏を聴く。
演奏しているのは全員女子生徒。

その彼女らが奏でるやさしい音楽を聴きながら、窓越しに桜の花を眺める。

最後の曲「花」の演奏が終わると、老人ホームの介護の方だろうか、手を叩き「アンコール!」と叫んだ。
そのリズムに乗ってみんなが手を叩き始める。
本当のアンコールなので、吹奏楽部のみんなは戸惑った表情をしていたが、再び「花」を演奏し始めた。

「春のうららの隅田川」と、誰からともなく歌い始める。
演奏している彼女たちも本当にうれしそうだ。

花見の会は、決して派手な活動ではないけれど、幸せな気分になる人は少なくない。

2009年4月8日(水) 入学式で実感

今日は私がPTA会長を務める高校の入学式だ。

式開始予定の二時間前に学校に着く。
校庭に咲く桜を一刻も早く見たかったからというのもあるが、春の生き生きとした雰囲気の学校を感じたかったからだ。

いつものように車を止めて、校舎に入る。
私が過ごした高校の校舎とほとんど同じ作りのこの学校を、懐かしい思いをめぐらせながら歩く。
「こんにちは!」と私を見かけた生徒が元気よく挨拶してくれる。
こっちも大きな声で返事をする。
なかなか気持ちのいいものだ。

校庭に出て見事に咲いた桜を見る。
カメラアングルを探す。



私を見かけた事務長が「応接室を開けましたのでそちらでお待ちください」と案内してくれた。
やがて校長室へ集まる時間となり、来賓の受付を済ませて校長室へ向かう。
来賓のしるしである、胸につけた赤いリボンの花は、次女なら大喜びするだろうが、未だに恥ずかしい。

私はいつもと同じPTA会長のつもりなのだが、やはり来賓として扱われるときは、校長室にいても居心地が悪いぐらいに、丁重なおもてなしを受け、お尻がむずがゆい。
やがて副会長や来賓各位も揃い、式場である体育館へ案内されることになった。

来賓はいつもそうなのだが、すべての保護者が着席しているところへ後から入場する。
従ってこっそり座るわけにも行かず、全保護者の横を一列に歩いていかねばならない。
校長先生を先頭に歩く。
こちらに視線が注がれているのがわかり、来賓席へ座るとほっとする。

あとは教頭先生の司会により、式が進められていく。
滞りなく式も終わり、来賓の退場となる。
「ここでご来賓の方々が退席されます」というアナウンスがあると、校長先生を先頭に、視線を感じながら、またぞろぞろと出口へ向かう。

高校の入学式では小学校のように「PTA会長からお祝いの言葉」と言うような挨拶は必要ない。
しかし、入学式後に保護者へのPTA活動の説明と言うものが必要であり、それが入学式における私の役目でもある。

そのため、一旦は退場した私だが、またこっそりと式場内へ戻る。
中では今後の学校生活の説明が行われていた。

新入生が退場した後、先生から保護者向けの説明が行われる。

そして私の出番。
「それではただいまより、PTA会長の○○(私)様にご挨拶をお願いしたいと思います」
『挨拶ではないのだが』と思いつつ、前に出る。

パイプ椅子に座った240名の生徒の保護者たち。
あくびをしそうな人もいれば、熱い視線を送る人もいる。
いつものように話をする。
高校のPTA活動は小中学校と違って保護者同士の交流を深めることが目的となっていること、そういう運営をするためには皆さんの協力が必要なこと、などなど。
ある程度考えていたストーリーに自分の想いを乗せて自分の言葉で話す。

「先ほど校長先生のお話の中で子どもたちに『この学校を好きになってください』という言葉がありました。
私は保護者の皆さんにもこの学校を好きになっていただきたいと思います。
門をくぐると目の前に飛び込んできた桜並木、私はあの風景が大好きです。
そして校歌らしくないけれども、とても美しいメロディーのあの校歌、私は大好きです。
皆さんは住んでいる場所も、年齢も、暮らしている環境もさまざまでしょう。
しかし、間違いなく、一つだけ皆さんに共通しているものがあります。
それはこの学校のPTA会員であると言うこと。
この一点だけは間違いなく共通しています。
ですから皆さんも、この学校のPTA会員として交流を深め、そしてこの学校を好きになっていただきたいと思います。」

何人かは大きく頷いてくれる。
壁際に並んでいる旧役員や先生方も。

しかしここからが本当の私の役目。

各クラスに2名のクラス委員が必要で、昨年までは入学式の後、先生方が直接保護者に電話連絡して、クラス委員を引き受けてくださる方を探していた。
しかしそれは先生にとってとても大きな負担となっていた。
そこで「じゃあ、入学式のときに、私から説明をして、その場で決めましょうか」と提案した。
どうしても決まらない場合だけ、担任の先生にお任せすると言うことで。

PTA活動の説明をした後、話を続ける。
「とまあ、活動についてはここまでなんですが。
 活動するにはどうしてもまとめ役のメンバーが必要です。」
と今からクラス委員を決めるための説明をした。

そして旧役員がそのクラスに一人ずつつき、直接保護者に話しかけ、委員を募った。

私は説明の中で、やってもいい人は是非挙手を、と言っていたので数名は挙手すると思っていたが、一人もおらず、とても残念に思った。
結局、4クラスは委員が決まったものの、2クラスについては未決のままだった。
少し落胆しながら会場を出る。

すると旧役員が声をかけてくる。
「いやー。まさか、あんなにスムーズに決まると思いませんでした」
意外な反応だ。
「やっぱり会長さんが説明すると違いますね」
他の役員も言う。
「会長さんの説明があったから、手を上げていない人でもこっちの説明をしっかり聞いてくれたし、すんなり決まったんですよ」

まあ、確かに普通の人よりはうまく説明も出来たし、私が声をかけて男性のクラス委員も誕生した。
みんなが「よかった」と言ってくれたので一安心だ。

さらにその後から役員会。

久しぶりにPTA会長であることを実感した一日だった。

2009年4月14日(火) え?ミュージカルに?

私の住んでいる市には「市民ミュージカル」と言うものがある。
その後援は教育委員会だとかPTA協議会だとかいろんなものがやっているのだが、実際の演者はとある劇団の団員と、その他の公募で選ばれた一般市民だ。

私の次女も一昨年、小学校一年生のときこのミュージカルに出演した。
我が家の隣に住んでいる人が、劇団の団長さんと友達であり、自らもそのミュージカルに出演した経験者であったため、家の前でいろいろな「ごっこ」をして遊んでいる次女を見て、「この子ならミュージカルを楽しめる」と出演をつよく勧めてくれたのがきっかけだ。

そのミュージカルは毎年、8月の終わりに市内一の大ホールで舞台公演を行う。
確かに、次女は楽しそうに舞台の上で踊っていた。
毎週土日のつらい練習にも耐え、舞台終了後には友達みんなと涙を流して感動していた。
小学校一年生が、感動していると言う姿は、そうそう見られない。
次女なりに達成感を感じたのだろう。
次女は、今年もう一度ミュージカルをやりたいと言うので、5月から毎週土日に練習をすることになる。

昨日、夫婦揃っての買い物から帰ってくると、ちょうど、隣の家からその劇団の団長さんが出てきた。

「こんにちは。今日は暑いですねえ」
嫁さんが挨拶をする。
「ほんまやねえ。」
と団長さん。
とりとめもない話しをした後、団長さんが思い出したように言う。

「あ。そうそう。○○さんも出演するのよ」
「へー、そうなんですかぁ」
「そうなのよ。もう、すごいわよね。珍しいわ、男性で・・」
「え?○○さんて、○○さんのお子さんじゃなくて・・?」
「違うわよ。ご本人よ。お父さんのほう」
「ええっ!?」

「○○さん」とは元市PTA協議会の会長さんだ。
私が初めて小学校のPTA会長になったとき、市内の小中学校の会長同士の集まりである「市PTA協議会」で知り合ったのが最初の出会いだ。

しかしそれよりもずっと前からお互いの嫁さん同士が友達だったし、また、その人のお子さんは、私の長女と同学年で現在は同じ高校に通っている。

そんなわけでその人のことは私も嫁さんもよく知っており、そんなPTAどっぷりの人がミュージカルに出演すると聞いてびっくりしたのだ。

団長さんが私の顔を見て言う。
「どう。お父さんも。○○さんに負けてられないでしょ。
 ××(次女)ちゃんも出るんでしょ。親子でやると楽しいわよ」
「いやいやいや」

と否定はしたものの。

ちょっと面白そうだと思う。
今年は高校のPTA会長しかやっていないので、比較的時間がある。
ただ、毎週土日、夏休みは毎日、という練習時間を確保できるかどうかが心配だ。

もし練習が出来たとすれば、これ以上のダイエット方法はない。

2009年4月19日(日) 何度目かの決意

朝から暑いくらいにとてもいい天気だ。

こんな日はどこかへ出かけたい。
そう思う気持ちはあるのだが、どうも体が動かない。
気力も湧いてこない。

コンビニへ行ってビールを買う。
自宅に戻って録画していた番組を見る。
ビールのを飲む。
テレビを見る。

こんなことではいけない、と次女と公園へ行く。
暑い中、近所の公園まで行く。
到着してすぐに次女とブランコで遊ぶ。

体がだるくで「早く帰りたい」と思う。
次女が「鬼ごっこをしよう」と言うが、とても走れない。
気も短くなりすぐに次女を叱る。

元気に動き回る次女がうらやましい。
贅肉のついた自分の腹を撫でてみる。
ひどいありさまに落ち込む。

自宅に戻ると、寝転がってテレビを見る。
いつの間にか眠ってしまう。

最近の休日の過ごし方。

酒、やめよう、と思う。

2009年4月20日(月) 予算は増やさず

昨日、自治会の会議があった。
本年度の予算案を作成する会議だ。

子ども会の会長である私も「評議委員」として会議に出席する。
昨年度の決算を踏まえて本年度の予算を決めていく。

その中には「子ども会活動費」も含まれている。

子ども会の活動費は、私が会長就任の翌年、その活動が認められて、30%の増額を実現に成功した。
しかし、それ以上に支出は多い。

確かに、活動内容は充実している。
私が会長に就任する直前よりも、ずいぶんと増えたように思う。
が、同時に、次年度繰越金額も、増額分を超えて、年々減少している。

当然、このままでは破綻する。
破綻しないようにするには、支出を抑え、収入を増やす必要がある。

以前から、子ども会の委員である班長さんたちにも、「予算案作成時に増額を要求する」と話をしていた。
私もそのつもりにしていた。

しかし、実際に予算作成の段になると、自分の準備不足に気がつく。
自治会の傘下には子ども会以外にも老人会などの各種部会がある。
どの部会も予算増額を以前から要望している。
でも、母体となる自治会だって決して収入が多いわけではなく、毎年、繰越金額が減少する傾向にある。
そのため、どの部会も「現状維持」となっている。

そいう状況にあって子ども会だけ予算を増やしてもらうためには、それなりに納得する資料なり、説明なりが必要だ。

いや、実際には、そんなものがなくても私が一言「10%あげてください」と言えば増えたとは思う。
実績があるというのも、もちろんだが、それ以外にも「子ども会の言うことには逆らえない」というような空気を感じるからだ。

私が会長になる前は、気の弱いお母さんたちに自治会のメンバーが強く言うこともあったが、今は、私が間にいるので風当たりは強くない。
無論、自治会の方々にご理解いただいたというのも大いにあるが、やはり、男である私が間にいる影響は大きい。
また、自治会のみんなは、子ども会のお母さん方が、日ごろどれだけ、自治会活動に貢献しているかをよく知っている。
私がへそを曲げて「子ども会は自治会に手を貸さない」などと言おうものなら、どれだけ大変なことになるかも知っている。

子ども会は自治会の傘下にあるとはいえ、自治会にこびる必要はない。
しかし、立場が逆転してはよくない。
お互い、気持ちよく活動したいのだ。

だからこそ私は、その場の誰もが納得するような、子ども会だけが予算を増やしてもらうことに十分納得するような、そういう説明がない状態で、増額をお願いすることをためらった。

結果的にお母さん方に負担を強いることになり、申し訳ないとは思っている。

「そんなこといわんと、もらえるものはもらったらええやん」
そういう声が聞こえてきそうだ。

しかし、男はバカなのだ。
「ええ格好しい」なのだ。
許してほしい。

2009年4月21日(火) 睡眠不足

午前3時30分から午前4時の間。

よほどの深酒でもしない限り、この時間帯に目が覚める。
酒を飲んで22時に寝ても、深夜番組を見て1時に寝ても、決まって、その時間帯になると、ふと目が覚める。
ひどいときはそれっきり、まったく眠れなくなり、朝までテレビを見ていることもある。
そんな状態が、かれこれ二週間続いている。

今日も4時前に目が覚め、再び眠りにつこうとしたが、結局眠ることが出来ず、5時過ぎには諦めて、ニュース番組を見ることにした。
前日は1時までおきていたから、3時間から4時間程度しか眠っていないことになる。
眠りの浅い私にとって睡眠時間は十分に必要なのだが。

何が原因なのかわからない。
飲酒のせいかと考えて昨日はまったく飲まなかったにもかかわらず、同じように目が覚めてしまった。
最近体重が気になりだしてカロリーコントロールを始めたからだろうか。

でも、昼間に眠くなることもなく、頭がボーっとするようなこともない。

もう少し様子を見てみよう。

2009年4月22日(水) 出世すると来ない

月末の水曜日は行きつけの飲み屋でビールが半額になる。
コンビニで350mlのビールを買うよりも安い価格で生中が飲める。
また、水曜日は定時に仕事を終わる企業も多く、私の仕事先も、定時を過ぎると急激に人が減り始め、むしろ仕事をしているほうが悪いような気さえしてくる。
でも、今日はそれが渡りに船となり、定時を過ぎると私もささっと身支度を整え、飲みに出かけた。

いつものカウンターに座ると、いつものビールを注文する。
いつもの店員が、いつもの笑顔でビールを持ってくる。

冷たいビールを喉に流し込み、まだ明るい町の風景を楽しむ。

日が暮れてよいも回ってきたころ、店員が「今日は○○さんは?」と聞く。
最近一緒に飲むようになった仕事先の課長だ。

店が暇なときは店員が話し相手になってくれるが、今日はビール半額の日とあって、来客も多く、店員も忙しげで、私も話し相手がほしくなってきたころだ。

そこで課長に電話して、仕事が片付いたら飲まないかと誘った。
しばらくして課長がやってきて、「××さんも誘ったから」という。
これも最近一緒に酒を飲むようになった、元課長さんだ。

「元」というのも、この春に出世して「部長」になったのだ。
部長になってからこの店に来なくなった、出世すると行く店も変ってしまうのか、と店員が嘆いていた。

しばらくして、三人になり、座席もカウンターから円卓へと移った。

何の話をしたのか忘れてしまったが、その時点で6杯目の生中を飲んでいたことは覚えている。

閉店時間までたっぷり飲んで岐路についた。
今日は電車を乗り過ごすこともなく、目的の駅でおりた。

改札の向こうに笑顔で嫁さんが立っていた。
一緒にコンビニへ行って、二人でお酒を買い、自宅に戻ってからまた飲んだ。

飲んで自宅に戻っても、そこから嫁さんと二人で飲む酒は、またおいしいものだ。

2009年4月23日(木) ビールを飲まない日更新中

久しぶりに遅くまで仕事をする。

遅い時間なので、今さら一人で飲みに行くこともしない。
まっすぐ帰宅。
近くのコンビニでビールを買おうかと迷うが、その気持ちも吹っ切って家に入る。

コーヒーを飲みながら、パソコンで一仕事する。

以前なら、これが普通だった。
パソコンに向かうと嫁さんがコーヒーを入れてくれて、それを飲みながら、私はパソコンで仕事をする。
嫁さんがその傍らで今日の出来事を話す。

いや、今でもパソコンに向かって仕事をしたり、嫁さんとの会話をしたりすることは忘れない。
しかしいつしか、コーヒーではなく、ビールを飲むのが当たり前になった。

いつまで続くかわからないが、週に二日以上は酒を飲まない日を続けたい。

2009年4月24日(金) 懇親会を欠席して飲む

仕事場で懇親会があるという。

私も酒が嫌いではないし、人付き合いは大事にしたいので、出来るだけ参加するようにしている。
しかし、あまりに大所帯の飲み会は好きではない。
どちらかと言えば、面と向かってじっくり会話できるような飲み会のほうが好きだ。

無論、大勢で飲んでいても、特定の人とだけ会話することは可能だし、実際私はあまり移動せずに、同じ人と話をすることのほうが多い。
しかし、他のメンバーも同席している以上、こちらの会話が他のメンバーにさえぎられたり、あるいは、周りの人に余計な気を配らなければならなかったりして、じっくりお酒を飲んで会話すると言う楽しさを味わうことが出来ない。
これは、私にしてみれば、少人数で飲みに行ったときに、隣のテーブルのおじさんが割り込んできたり、後ろのテーブルの人のグラスの空き状況に気を配らねばならないのと同じなのだ。

だから今回の懇親会は参加をお断りした。
大事な客先ではあるが、本当に大事にしたい人とは直接飲みにいく。

とはいえ、みんなが酒を飲む雰囲気になっており、私一人、仕事を終えてまっすぐ帰宅、などと言う気にはなれず、私も仕事を終えて行きつけの店で飲むことにした。
結局、店が終わってからも外で飲み続け、帰宅は2時ごろになってしまった。

昨日飲まなかった分を飲んでしまったかもしれない。

2009年4月25日(土) まだ、候補

今年度最初の高校の実行委員会。
今年は学校のPTAに絡んでいるのは、高校だけなので、ずいぶんと余裕を感じる。

昼過ぎに役員会に出席し、その後実行委員会に出席する。

役員会では役員会主催のPTA会員の交流を目的とした行事の段取りを決め、実行委員会ではそれを説明した。
実行委員会のメンバーの半分は既知のメンバーなので、特に緊張することもない。

嫁さんもその一人だ。
一旦は委員を退いていたが、今年もまた、私と一緒に委員会に出席することになった。

本年度最初の実行委員会と言うこともあって、自己紹介をする。

「えー。本年度会長の、あ、いや、総会で承認されるまでは「候補」なので・・・、えー本年度会長予定の○○(私)です」
そう切り出すと、予想外に笑いが起きた。
後は簡単に自己紹介をする。

続いて副会長も「本年度、副会長候補の」と続けると同じように笑いが起きる。
思った以上の周りの笑い声に、少し驚いたが、ま、いい雰囲気なので私も同じように笑う。

初めて実行委員会に出席した保護者や先生は「何もわからないですが、皆さんとても元気そうで、明るいので安心してやっていけそうです」などと言っていただき、ほっとした。
やはり、笑い声は必要だ。

会議を進めていくと、嫁さんが周りの人と一緒に笑っているのが目に入った。

後で聞くと、質疑応答時の私の受け答えを聞いて思わず「うまいこというなぁ」と感心して声を出してしまい、周りから笑われたらしい。
「でも、先生も委員長もみんな『ほんと、会長はうまいですよね』っていうてたで」と、自分だけがそう思ったのじゃないことを強調していた。

とにもかくにも、最初の会議もうまく終わり、次回の総会もうまく乗り切れると感じた。

2009年4月27日(月) えーと、会長なんですけど

夕食後の一家団欒の時間。

私がPTA会長を務める学校へ通う、高校生の長女が言う。

「今日なあ、担任の先生がさあ、『まだPTAの学級委員がこのクラスだけ決まってない』って言うてんやんかぁ」

先日の入学式の折、私が一年生の保護者向けに説明して、その場で選出した委員だ。
一年生はその後、私の説明の効果があったのか、すぐに全クラス決定したらしいが、2年生の長女のクラスだけ決まっていない。

確かに、広報副委員長となった嫁さんと一緒に出席した先日の実行委員会で配布された資料には、2年生の長女のクラスだけ、学級委員の名前が一人分、記載されていなかった。

「ほんでな、先生が聞くねん」

何を聞かれたのかと、嫁さんと私が注目する。

「先生がさあ、『○○(長女)んとこ、お母さんか、お父さん、学級委員やってくれへんかなあ』って。せやから『うーん。多分・・無理だと思います』って答えといた」

「た、多分て・・」
もちろん、既に会長の私や、実行委員である嫁さんが、兼任できるはずもない。

のんびり屋の長女らしい回答の仕方に、思わず笑ってしまったが、その後、先生は学級委員を見つけられたのだろうか。

2009年4月28日(火) 「行ってもいい」?

女性と男性は、同じ内容の文章を話しても、その意味が違う。

たとえばドライブ中に、女性が、
「そろそろコーヒーでも飲みたくない?」
と男性に聞いたとする。

それに対し男性が
「いや、まだ飲みたくない」
と答えたとする。

すると、直後から女性が不機嫌になる。

男にしてみれば、「コーヒーを飲みたくないか?」と質問されたから、素直に、飲みたいか、飲みたくないかを答えたに過ぎない。
しかし、女性は男性に「質問」したのではなく、自分の「要望」を伝えたのだ。
つまり、女性は「コーヒーを飲みたい」と言っているのだ。

これを読んで、「え?そんなわかりきったこと、なぜわざわざ書くの?」と思った人。
あなたは多分、女性で、「なるほど」と感じた人は男性ではないだろうか。
私は男だから、わざわざ書いたのだ。

女性はとかく、このように自分の欲求を率直に伝えず「推して知るべし」と言う感じの発言をしがちだ。
でも、私には(おそらく男性には)それが、「素直じゃない」と感じてしまうことが多い。

私ともう一人の男性と二人で行きつけの店で飲んでいると、その店の女性が「あーあ。今日はお酒、飲みたいなー」と独り言のように言う。
決して私たちのほうを向いているわけではなく、夜景を見ながら言う。
もう一人の男性が察して「じゃ、店が終わったら行きますか?」と誘う。
とたんに女性の顔が明るくなり「じゃあ、店が終わったらね」と答える。

しばらくして、男性のほうに急用ができ、「しばらくしたら戻ります」と言い残して、店を出てしまった。

なかなか戻ってこない男性。
それでも私はお構いなく、酒を飲み続ける。
女性が言う。
「戻ってくるかなあ。私は飲みに行ってもいいんだけど」

まだ男性は戻ってこない。
再び女性が言う。
「本当に、今日、飲みに行くのかなあ。私は行ってもいいんだけど」

何度となく、同じような言葉が繰り返されるが、決して、「飲みに行きたい」とは言わない。

それがなぜか私には腹立たしく思えて、女性が何度目かの同じセリフを言ったとき、とうとう言ってしまった。

「さっきから、『行ってもええ』とか言うてるけど、言い出したんはきみやろ。
 それやったら、『行きたい』って言えんか。素直やないな、ほんまに」

別に声を大きくして言う必要もないことだし、わかりきっていることだけれども、なぜかその言い様に我慢できなくなってしまった。
なんだか酔いもさめてしまい、店を出てしまった。

早く家に帰って飲み直そう、素直な嫁さんと楽しく話をしながら飲み直そう、それだけを考えて電車に乗った。

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