カリント日記

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2010年2月3日(水) 節分

今日は節分。
恵方を向いて太巻きを食べるのが、関西の風習であったことを知ったのはつい数年前。
それまでは全国的に行われている風習だと思っていた。

最近は地方の風習を取り上げる番組がゴールデンタイムに放送されていることもあってか、関西圏のこの風習も全国的に広まりつつあるようで、全国版のニュースでも「今年の恵方は西南西」などといっている。

太巻きを食べるときは恵方を向いて丸ごと頬張り、食べ終わるまで、一言も話をしてはいけない。

我が家の壁面はちょうど東西南北に向いているため、方角がどちらかわからなくて困ることはないが、それでも「西南西」となると、小学校4年生の次女に説明するのはちょっと骨が折れる。
次女はこういうことにとてもこだわるので、少しでも方角がずれていることを嫌うからなおさらだ。
私の体の向きが少しずれていると、正そうとする。

みんなで食べ終わってテレビを見ていると、やはり節分の太巻きの食べ方について解説していた。

「太巻きは切らずに、丸々一本食べましょう。
 切るというのは『縁が切れる』を連想するため、縁起が悪いとされています。」

その解説を聞いた次女は「えぇ・・っ」と元気なく言葉を漏らした。
ふと次女を見ると、涙ぐんでいる。

「ど、どしたん!?」とたずねると、「一本全部食べられへんから、切って食べてん・・」と答えた。

小学生には量が多いので、切って食べるのは当たり前のことなので、何も悪いことではない。
むしろ、食べきれずに残してしまうことのほうが悪い。
しかし、「縁起が悪い」と言われては、それを気にする次女にとって、大きなショックのようだ。

さらにテレビがいう。

「食べながら願い事をすると、願いがかなうと言われています」

さらに次女が落ち込む。
「何も、願い事なんか、してなかった・・・」

もう、次女の周りだけ、空気の色が違うかのように落ち込んでいる。
しまいには「あとで、もう一本、食べる・・・」と無茶を言う始末。

そんな次女を見て、私と長女で面白おかしい話をする。
次女の機嫌が直ったのは、わずか、5分後だった。

2010年2月5日(金) 教頭先生にお怒り

小学校のPTA役員選出の委員会から帰宅した嫁さんが不満そうな顔をしている。

「どうやった?今日の委員会。役員決まったか?」
そう聞くと嫁さんが、「そうそう、それがさあ」と堰を切ったように話し始めた。

各地区2名ずつの委員さんが、今日の会議までに役員候補を探し出してくる、というのが前回の会議の宿題だった。
嫁さんも「代理」とはいえ、候補者を探さなければならない。
連日、知り合いの友達のところへ出向いては、頭を下げて役員のお願いをした。
また、どうしても役員ができないという友達からは、どこどこの誰々ならやってくれそうだ、などの情報をもらい、またそちらに足を運ぶ、ということを繰り返した。
どうにかこうにか、嫁さんも一緒に役員をやるという条件で数名の候補者を探し出して会議に臨んだ。
当日、少し遅れて会議に出席した嫁さんだったが、会議室に入ると、みな席を立って帰り支度をしているところだった。
どうしたのかと理由を聞くと、教頭先生が候補者を探しているので、それが決まるまで、委員会の候補者探しはしばらく待つようにと、先生から説明があったそうだ。
それを聞いて嫁さんが怒った。
教頭先生がそういうことをしているのなら、なぜ事前に連絡をしないのか、こっちは毎日のように人に頭を下げて動き回っているのに。
そんなことをされると、今度から手伝おうという気がなくなってしまうではないか、と。
しかし会議はすでに中止となっており、嫁さんは抗議もできずに帰宅した。

「ほんま、教頭先生にちゃんとゆうたらんとあかんわ」
とぷんぷんしながら私に説明をした。

先生方にも都合があり、良かれと思って行動しているのだろうが、それならそれで委員さんに連絡をしてもよさそうなものだ。

私に話をして怒りが少し収まった嫁さんは、それでもこれから先の役員決めのことを心配していた。

2010年2月6日(土) 一日中ゴロゴロ

今日は何もしない休日だった。
一日中、部屋着でゴロゴロしていた。

惰眠をむさぼるようなことはなかったけれど、テレビゲームをして、酒を飲んで、ビデオを見て、大好きな代表戦を見て、のんびりくつろいだ。

平日が忙しいときの休日は、ゴロゴロするより、ドライブに行くなどしたほうが、気分転換にはいいらしい。
それはわかっていても、今日はゴロゴロしたかった。

一日が終わる時間になると、なんだかもったいない一日を過ごしてしまったと、後悔するのだけれど。
でも、あのゴロゴロはとても贅沢な気分になれるのだ。

2010年2月7日(日) なじみの店

夜は土日しか営業していない、友人夫婦の店で飲む。
でも今日は夕方ごろに店じまいをし、店にいたのは私の家族だけだった。

お腹が空いていたが、まずビールを一杯注文する。
オーナーのご主人がグラスにビールを注ぎ持ってきてくれる。
それをみて奥さんが言う。
「会長、先になにか食べないとダメですよ」

一緒に小学校のPTA役員を2年間勤めたので、彼女は今でも私のことを親しみをこめて「会長」と呼んでくれる。

「じゃあ、スパゲッティください」と調理場にいる彼女に告げると、なにやら、彼女がジェスチャーをし始めた。

「会長、スパゲッティ担当は、こっち」とご主人を指差しながら変な顔をし、「で、オムライス担当は、こっち」と、今度はにこやかに自分を指差す。
そして「さあ、どっち!」と、私に尋ねる。
続けて先に食事を終えた長女が言う。
「オムライス、めっちゃおいしかったで」と。

これは選択の余地もなさそうだな、と思い、「じゃあ、オムライス」と注文する。
おススメのオムライスはデミグラスソースが秀逸で、長女の言葉に間違いはなかった。

人とお話をするのが好きで、こうやって会話できる仕事を、と考えてこの店を作ったらしい。

昼間のランチタイムにかよう常連さんも増えてきたらしい。
中には彼女との会話を楽しみにくる年配の女性もいるという。

なるほど、この味と彼女の人柄なら、通い続ける人の気持ちもわかる。
私もその一人なのだから。

2010年2月8日(月) あかいくるくる

次女が長男に買ってもらったテレビゲームをやっている。
友達を集めるゲームなのだが、その友達は全部自分で作ってゲームに登録しなければならない。

まず、目や鼻などのパーツがいくつかあり、それを組み合わせて友達に似せてキャラクターを作る。
豊富なパーツではないのだか角度を変えたり、大きさを変えたりすることで、実際の人物にかなり近い顔を作ることができる。
これだけでも結構笑える。
次に生年月日や血液型、性格などを登録していく。

そうして登録された友達キャラクターはゲームの世界では好き勝手なことをして生活している。
そのキャラクターたちは時には笑い、時には泣く。
落ち込んだキャラクターにはおいしい食べ物をプレゼントしてやったり、「好きな人ができました」というキャラクターには告白の手伝いをしてやったりする。
そうやってキャラクターたちが快適な生活を送ることができるようにゲームを進めていく。

その中にキャラクターがカラオケを歌うところがある。
カラオケの曲には「演歌」や「J-POP」などのいくつかのジャンルがある。
そしてそのフレーズにあわせて歌う歌詞を作詞できるようになっており、画面に登場するキャラクターは、マイク片手に画面に表示された歌詞にあわせて歌いだすのだ。

この作詞がなかなか面白い。
作詞といっても最初から登録されているキーワードを組み合わせるだけなのだが、こっけいな組み合わせによって生まれた、めちゃくちゃなフレーズを、まじめな顔でキャラクターが歌いだす姿に、次女も私も爆笑だ。
二人でゲームを取り合って作詞に取り組むほど熱中した。

そのなかで生まれた黄金のフレーズが「あかい くるくる」。
嫁さんが天然パーマで髪の毛がカールしているのを見て、次女が嫁さんのキャラクターに歌わせたフレーズだ。

ヘビメタのメロディーのこの曲が流れると、マイクを持った嫁さんキャラクターが、ヘッドバンキングしながら歌い始める。
そして「あかい、くるくるーーー」とさびの部分を熱唱する姿をみて、子どもと一緒に涙を流して笑い転げてしまった。

2010年2月9日(火) 認定試験

久しぶりに認定試験を受験して合格した。
コンピュータベンダー企業の特定のコンピュータに対する認定試験だ。

6時間の研修を修了し、後日の選択試験で合格点を得られれば、合格となり、そのコンピュータに対する技術者として認定される。
認定されれば、認定書を交付され、また名刺などに貼り付ける認定のシールをもらえる。

会社の社員であれば、考課の対象となるのだろうが、個人事業の私には単なる「認定」に過ぎない。

コンピュータ業界の試験の多くがそうだが、「それを持っていなければ○○ができない」という性質のものではなく、検定試験がほとんどだ。
例えば、自動車の運転免許はその免許という資格を持っていなければ、車を運転してはいけないが、漢字検定などは「その人がどの程度感じについて理解しているか」を認定するものであって、漢字を書くのは自由だ。
コンピュータ業界の試験も同じで「それに関して一定レベルの知識と技術を持っている」ということを認定されているに過ぎない。

しかし、実際には、こういった資格も重宝される。

プロジェクトを進めるにあたって必要な人材を集めるとき、この検定に合格しているかどうかで、その人物が最低限有している知識がわかるため、ある程度目安になる。
無論、認定の有無だけでプロジェクトメンバを選抜するわけではないが、少なくとも素人相手に一から教えなければならないレベルではないということがわかる。
逆にメンバになるもにとっては、仕事にありつける可能性が高くなる、ということになる。
まあ、「何かあればその人に聞けばいい」と、便利に使われてしまう危険性もあるのだが。

これを弾みに、今年はいくつか認定試験を受けてみようかと思う。

2010年2月10日(水) 子どもの年齢

今日は市子連の会議。
来年度の準備が始まる時期。
各単位の子ども会は、保険手続きのため、毎年、名簿を市教委に提出している。
今年からその名簿の書式が変更され、その説明が行われた。

「えー、今年から、子ども会のメンバーの名前の横に、年齢を記述することになりました」

20名ほどの常任委員が口々に「面倒やなー」などと叫ぶ。
私は「いつを起点にした年齢かな?」と心の中で思う。

説明者が続けて言う。
「ただし、年齢は4月1日時点の年齢を記述してください」

「なるほど、それなら簡単だ」と私は心の中で思う。
でも、みんなは違ったようだ。

常任委員が口々に叫ぶ。
「せやけど、それやったら子どもらの年齢を聞いてまわらなあかんな」
「わしら、誕生日、知らんしなー」
「うーん。面倒やけど仕方がないな」

説明者が言う。
「そやねん。面倒やけど、お願いします」

さすがに黙っておられず、私が挙手して説明する。
「はい。あの、4月1日なら、みんな年齢は決まってますよ。
 新一年生は6歳ですから、二年生なら7歳、三年生なら8歳でしょ」

すると一人が私に言う。
「せやけど早生まれの子とかおるから、わからんで」
これは想定どおりの質問。

「いや、4月1日に6歳になっている子どもが小学校一年生になる、って決まりなんです。
 何月に生まれていようと、4月1日に6歳なら、一年生。
 だから、4月1日には全員6歳です。生まれの早いも遅いも関係ないです」

さらに質問は続く。
「でも、それは一年生の話であって、二年生になったらわからんわな」
「そやそや。早生まれとそうでないのとは歳が違うで」
これはまさかの質問。

「そんなもん、みんな一緒に決まってるでしょ。
 今年の4月1日に6歳の子どもが、来年の4月1日に、7歳になったり8歳になったりするわけないでしょ!」
と失笑気味に説明する。

若いお母さんの常任委員はすぐに理解できたようだが、ご年配の方々が理解するのには少し時間がかかった。

とはいえ、年齢を書くのは難しいこと。
子どもの年齢はわかりやすいが、難しいのは大人の年齢。
特に、お母さんたち。
本当の年齢を書くのは抵抗があるんじゃないか、と思う。

2010年2月11日(木) 長女と休日

昨夜の夜から本格的に降り始めた雨は、朝には小康状態になっていた。
でも、今日の夕方ごろからまた本格的に降り始め、気温もぐんと下がる、と天気予報では言っていた。

長男は午前中からアルバイトへ、嫁さんと次女は、知り合いの劇団の公演を見るために昼前には出かけていった。
家に残っているのは私と長女だけ。

ゆっくり起床したので、まともな食事もまだしていない二人は、先ほどの天気予報を見て、早速コンビニへ買出し。
まだ雨が降っていないうちに、食料と今夜の代表戦に備えてのビールを買い求める。

長女がカップ麺を買うのを見て、めったに食べない私もカップ麺を買った。
長女の好きなお菓子も買って自宅に戻る。

二人でカップ麺をすすりながら、録画していたバラエティー番組を見る。
同じような場面で二人で笑う。
笑いのポイントが同じだと、テレビを見ていても楽しい。

時折、テレビゲームの話もする。
今、二人で同じゲームをしているところだ。
どっちが先に進んでいるか、どこどこのイベントはクリアできたか、などライバル心をむき出しにして話をする。

同世代の娘を持つ父親からすれば、私と長女との間を、とてもうらやましく思うらしい。
ほとんど会話もなく、同じ場所にいたがらず、父親を避ける娘が多いという。

そんな話を思い出しながら、またテレビを見る。
今夜の代表戦はもちろん一緒に観戦する。

2010年2月13日(土) やっぱり回ってきた

嫁さんからの話でなんとなくそうなるのではないかと思ってはいたが。
今日、小学校の教頭先生から電話が。

「お願いします」

もう、頼むところがない、という、教頭先生の切羽詰った懇願に負けて、結局、PTA会長を引き受けることに。

今年は忙しいのになあ、と思いつつ。
ならばせめて、楽しい一年にしたい。

2010年2月14日(日) 軽自動車は楽し

愛車を定期点検に出している間、代車として借りたのは愛嬌のある「顔」をした軽自動車。
そのかわいらしさと、色が、次女のお気に入りで、その車を見るや否や、「今の車よりこの車がいい」と。
隣の芝生は青く見えるもので、たとえ軽自動車でも、小学生の次女には、いつもと違うだけで、なんだか「いい車」に思えるらしい。

そんな車に乗って近所の家電量販店へ出かけることに。
母親と嫁さん、そして次女を乗せ、定員目一杯の軽自動車は、アクセルをぐっと踏まなければ加速しない。
けれども、車高が高いため車内は広く、乗り心地も悪くない。
次女のテンションの高さは、軽自動車ゆえの、密着度によるものか。

昔の愛車を思い出し、少し楽しい気分で出かけた。

2010年2月15日(月) 嫁さん、人事に大忙し

昨夜から嫁さんはケータイメールで忙しい。
どうやらそれも、私のためらしい。

PTA会長を引き受けることにはなったが、忙しい中、やりくりできるかどうかは、周りの役員で決まる。
平成19年度のPTA会長のときは、その役員がとてもよかったので、私は非常にやりやすかった。
だから今回もそういう役員を集める必要がある。

といっても私にはそれほどの人脈はない。
そこで嫁さんが、知り合いに連絡を取りつつ、メンバー調整に奔走してくれているわけだ。

私の地区のお母さんが「○○さんと一緒なら役員をやってもいい」という。
そうすると嫁さんは○○さんへ連絡する。
○○さんは「××さんと一緒にやろうかと思う」という。
そうするとまた××さんへ・・。

今朝になってようやく全メンバーを決定した嫁さんは、早速学校へ向かい、教頭先生に事情を説明した。
先生方も一安心といったところだ。

もう、私も先生も、嫁さんに偉そうにはいえない。

2010年2月16日(火) ご臨席の栄を賜り

先日、高校から卒業式の案内状が届いた。

通常、学校からの連絡は子どもを通じて封書に入れられたプリントで伝えられるか、急ぎのときなどは、先生のケータイからのメールで伝えられる。

けれども、卒業式の案内状などは別だ。
PTA会長は来賓として迎え入れられるため、案内状も、結婚式のものと同じように、封書にしっかりとしたものが届く。
同封のはがきには「ご出席・ご欠席」の項目が書かれた葉書が入っており、それを送り返すことになっている。
メールなどに比べれば、切手代がもったいないような気がするが、案内状に書いてある文言も、普段とは違うので、たまにはこういうのもいいかなと思う。

その文言の中にこんなものがあった。

「ご臨席の栄を賜り」。

小恥ずかしい限りである。
あまり使わない言葉なので、ちょっと気になり、Webでこの言葉を検索してみた。
するとあるQAサイトがヒットした。

 質問
 『御臨席の栄を賜る』とは、わかりやすくいうとどういう意味なのでしょうか?

なるほどわからないのも無理はない。

 回答
 「御臨席」は、その席に臨むこと。会や式典などに出席すること。。
 「栄」は、価値を高く認められること。名誉。
 「賜る(たまわる)」は、「もらう」の意の謙譲語。目上の人から物などをいただく。ちょうだいする。

ほうほう。
確かに単語はそういう意味だな。

しかし、最後の解説を見て、ひっくり返りそうになった。

  つまり、「御臨席の栄を賜る」とは、「式典(会合)に出席させていただける名誉をいただく」という意味です。

おいおい。
PTA会長として卒業式に出席させていただけるのはとても名誉なことだ、と?
招いている側が書いている文章なのだから、ちょっと考えればわかるだろうに。

もちろん正しくは「(われわれの式典に)あなたに来賓として出席していただくということは、われわれの名誉になりますので、出席いただいて、われわれに名誉をいただけないでしょうか?」
という意味だ。

すぐに訂正してやりたくなったが、もう数年も前の投稿である。
しかし、最もよい回答として掲載されているので、誤った認識をしている人も多いことだろう。

まあ、誤った回答のおかげで、自分が出席してやることを名誉だと思え、っていう態度ではなく、「お招きいただきありがとうございます」っていう謙虚な姿勢になる人もいるだろうからよかったのかも。

2010年2月18日(木) しつこころなく

次女は何か新しいことを覚えることが好きなようで、それが漢字であったり、ゲームであったり、勉強や遊びの区別なく、いつも楽しそうにしている。

先日、どこから引っ張り出してきたのか「百人一首」を持ってきて、私とやろうと言い出した。

私は学生時代に半分程度の句を暗記しており、カルタ取りも得意なほうだ。
嫁さんに読んでもらいながら次女と一緒にカルタ取りをする。

もちろん手加減はしないから圧勝だったが、それでも次女も何枚か取ることができたし、楽しんでいた。

すると一枚を取り出し、「これ、好きやねん」という。

「しつこころなく はなのちるらむ」

それは私が最初に教えた句だった。

「百人一首はな、上の句と下の句があって、本当は上の句から読むねんで。
 ほんで、うまい人は、上の句を読んだだけで、下の句がわかるから早く取れるや。」
と私が説明をした。
そして、たまたま目に留まった紀友則の句を手に取った。
「この上の句は『ひ』の字が3回も出てくるめずらしい句なんや」

「ひさかたの ひかりのどけき はるのひに」

「な、3回でてきたやろ。
 この上の句を読んだだけで、下の句の『しつこころなく』を取る練習をするんや」

感心しながら私の話を聞いていたせいか、その句がお気に入りになったようだ。

今日、嫁さんがテーブルの上を見て笑い出した。

「これ、見て・・。またあの子は。ふふふ」

嫁さんが私に見せたものは、透明なカードケースに背中合わせに入れられた、次女お気に入りの紀友則の読み札と取り札だった。

2010年2月22日(月) マイナーからメジャーへ

冬季オリンピックの真っ盛りである。
今年の開催地はバンクーバー。

あまり冬のスポーツを見たいという気持ちにはならないのだが、近頃、カーリングがだんだんと面白くなってきた。

もちろん、技術力が伴っていなければならないが、氷上のチェスの名のとおり、相手チームとの駆け引きが面白い。

チームが交代でストーンを滑らせるのだが、後攻めのほうが圧倒的に有利だという。
確かに、正確なショットを持ってすれば、氷上に置かれた敵のストーンに当てるのはたやすいことで、先攻がよい場所にストーンを置いても、後攻がそのストーンをはじき出してしまうこともあるからだ。
そしてこの先攻と後攻の違いはその前のエンドでどちらが得点をしたか、で決まる。
カーリングは必ず一方のチームにしか得点が入らない。
そして得点したチームが次のエンドで先攻となる。
だからここでも駆け引きが生まれる。

わざと相手に最少得点である1点を与えて、次のエンドで先攻をとらせる。
自分たちは有利な後攻で、一気に大量得点を狙う。
肉を切らせて骨を絶つ、といったところか。

以前はマイナーなスポーツの代表として上げられていたカーリングだが、ファンはうなぎのぼりに増えている。

ただ、あの道具、あれを揃えるのは大変で、かなりの資金が必要だと思う。
お目にかかるのはまだしばらくはテレビの中だけだろうか。

2010年2月23日(火) オートマ限定

最近、長男が自動車の運転免許を取得するべく、教習所へ通い始めた。
当初はマニュアル車も運転できる免許を望んでいたものの、金銭面からオートマ限定の取得に決めたようだ。

最近ではMT車は珍しく、スポーツタイプでもない限りAT車がほとんどだ。
私の車はオデッセイの中でもアブソルートというスポーツタイプに分類されているが、いかんせんミニバン、やはりAT車である。

私が免許を取った時代は「オートマ限定」などというものはなく、いきなりMT車のクラッチあわせに泣かされた。
狭い教習所の中とはいえ、そこでさえ、まともに車を走らせるようになったのは3回目ぐらいの共有からだったように思う。

ところが今は、初日から車を走らせることができる。
ただ単に走らせるだけなら、アクセルさえ踏めばいいのだから、特殊な技術はいらない。
言葉は悪いかもしれないが遊園地の「ゴーカート」と同じだ。

走ることに技術がいらないなんて私なら少し物足りない。
コーナーを曲がる直前にスピードを落とし、同時にシフトダウンをして、抜け出すときに加速する。
こういう操作こそが運転しているときの楽しさだと思う。

まあ、何はともあれ、安全第一。
簡単に運転できる車だからこそ、その分、周りに注意を払ってほしいものだ。

2010年2月24日(水) なにもない町

先日、嫁さんの会社の人と飲む機会があった。
建築関連の会社であるその会社が手がけた、飲み屋のプレオープンに家族ぐるみで招待されたのである。

そこには知り合いの市会議員もいて、最初は大人と話をしていたのだが、やがて高校生である長女と話を始めた。

「若い人たちの意見を聞きたい」というのである。

大人の私でも突然そんな話を切り出されたら、困ってしまう。
変に格好をつけて、わかりきったことではなく、「なるほど」と思わせるようなことをいわなければ、と思ってしまうからかもしれない。

でも長女はしばらく考えて、学校で友達と話をしていたことを伝えた。

「この町には○○ドーム(国体でも使用される屋内プール)以外なにもない、って言われました」

確かにそうだ。

大きな町ではないから仕方がないのだが、ショッピングモールも百貨店もない。
駅前に大型スーパーがあるが、それはどの町にでもあるもので、この町の特色ではない。

歴史的遺物はあるものの、観光名所になるようなものではなく、地元のものでもその謂れを知らないようなものだ。

いや、本当に何もないわけではなく、実は世界的に有名な家電会社の本拠地であり、海外のサイトでも「○○の本拠地である」と紹介されていたりする。
けれどそれは若者にとっての魅力でもなんでもない。

この町がこのままだと、ほかに魅力のある町へと、若者が流出してもおかしくない。

2010年2月28日(日) 駅伝大会

夜明け前から強く降っていた雨は朝になってもその名残があった。
今日は午前中に子ども会の駅伝大会が開催されるというのに、この雨では会場の治水公園も最悪のコンディションだろう。

7時前には開催の可否についての連絡が入るはずなのに、15分を過ぎても携帯電話はならない。
待ち合わせ時間の7時45分に合わせるべく、家を出る準備をしていたときに、ようやく電話が鳴った。

「ごめん。まだ連絡がないねん。でも、連絡があるまで、各自自宅待機ということで連絡しておいてもらわれへんやろか」

そういう市子連の副会長からの連絡に、私がメンバー全員にメールで連絡をする。
私が市子連に入るまで、連絡事項は一人ひとり、直接電話をかけて行っていたらしいが、パソコンを扱える私が加入してから、いっせいにメールで配信することになった。
「画期的な方法」と誰かが言っていたが、むしろ今までの方法が、原始的だったのは、メンバーの年齢のせいだろうか。

やがてもう一度連絡が入り、予定より2時間遅れで大会を開催することが決定したという。
北河内の7市による連合の大会だけに、ひとつの物事を決定するにも時間がかかるのは仕方あるまい。
同じようにメールで一斉配信する。

そして予定の時間。
開催地は来るまで20分ほど走ったところ。
メンバーは何台かの車に分乗して現地へ。

雨は上がり、少しずつ晴れ間の見える天気になったが、芝生は塗れてコンディションは悪い。
幸い、選手が走る走路は舗装されていたので、それほどの影響はなさそうだ。

徐々に集まり始めた子どもたちのやる気のある顔を見て、私も心の中で掛け声をかけた。

「さあ、今日もやるぞ!」

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