カリント日記

期限ぎりぎりの免許更新に備えて朝から髪を切ってきた。
二回続けて、なじみの店ではないところで髪を切る。

きっかけは急きょ髪を切りたくなった前回のこと。
なじみの店に電話をして今からいけるかを尋ねてみたら、あいにく予約でいっぱいで3時間ぐらい待たないとだめだという。
それほど待つ余裕もなかったので他をあたることにした。

数年前、オープン記念で割引があったという理由だけで訪れたことのある今回店に電話したところ、たまたまキャンセルがあったから、今からでも大丈夫と言われ、希望の時間に髪を切ることができた。
その時の対応が良く、また、気分転換にもなったので今回もこの店に行くことにした。

免許更新予定があったので事前に予約して店に行った。
免許証の写真は身分証明として人前に提示することもあり、また、数年にわたって使用するものだから、それなりの写り具合になってほしいと思うのは人情だ。
それに50歳直前の自他ともに認める中年ではあるが、まだ「ヘアスタイル」を決められる余裕のあるうちは、こういう店で髪を切りたい。

自分の希望を伝えると何度か確認しながらではあったが、それなりのスタイルに仕上げてくれた。

満足な気分で会計をしてもらうと、「ちょっといいですか？」と言ってトランプを取り出した。

そういえば最初に来た時も、確か手品をやったていた。

案の定、手品を披露してくれたが、それは数年前と変わらない内容でだった。

確かあの時は自宅に戻ってカードを取り出し、ああなるほどこういうことか、とタネがわかったのだが、今から免許の更新へ行くという状況にあってその余裕はなく、帰宅したときにはすっかり忘れていた。
今はもう思い出せない。

次回、髪を切るまでにこっちも一つ何か身につけて行ってやろうかと思う。

4月になり、あちらこちらの組織で人事異動があった。

と言っても、私は個人事業主。
取引先の会社の人事移動には正直、あまり興味がない。
部署名が変わったんだな、程度のインパクト。

けれど地域で所属している団体の関係者の出入りはとても気になる。
金銭的な利害などない人たちの集まりだからこそ、より一層、人間的な付き合いが必要となり、その人となりが重要な要素となる。
新しい人がどんな人なのか。

別に何か情報が得られる確証があるわけではないが、何かを調べるときに検索サイトを使うのは、半ば、習慣化している。

知ったばかりの名前で検索してみる。

ヒットしたのはFacebookだ。

無論、同姓同名の赤の他人という可能性もある。
写真は掲載されているものの、本人にはまだ会ったことがないので同一人物かどうかも分からないが、聞いている年齢とは一致しそうだ。

関連（いいね！）している人の情報もたどりながらいろいろ調べていくと、そのFacebookの主の名前だけではなく、生年月日、出身高校、アルバイト先などの情報が得られた。
いや、もちろん、赤の他人の情報で正しくないかもしれないが、もしこれが当人のものだとすると、本人が意図して公表していたのはたぶん「名前」だけであったはず。
しかし、他のメンバーがこれまた何気なく記載した内容で、結局これだけ、自分の情報が漏れていることになる。
おそらく、もう少し時間をかければもっと多くの事実もわかってしまうんじゃないかと思う。

知り合いの名前で検索してみた。

またもFacebookでヒットする。

顔写真を見て本人であることもわかった。
同じように、関連している情報を検索すると、自宅の住所までわかってしまった。
本人は気づいているだろうか。

他の知り合いの名前も検索する。

同様にFacebookやtwitterでヒットする。

自分の住所まで知られてしまうのもどうかと思うが、家族より少ないフォロワー数、三日坊主で終わっているつぶやき、そういうものを見るとなんだかさみしい。

そんなものを見ると、かえって知り合いの名前でヒットしないでほしい、とさえ思う。

まあ、私だってかなりいい加減な不連続日記ではあるし、なによりカウンターの数値の上がらなさは安定的だ。

なんだろうか、知ってほしいような、知られては困るような、そんな感覚があって、この日記の存在もほんのわずかな人にしか教えていないし、今の所属団体に知っているものは一人もいない。
もちろん、Facebookもtwitterもやる気はない。

もうしばらくは、じっくり自分のペースでやっていきたい。