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2005/05/05

        .交差点の向こうに消えるまで 2005.3.18

娘への手紙。
卒業式で娘に対して読むはずだったが、前日になって娘は入院した。
そのため、娘のいない卒業式で、卒業生へ向かって読む手紙となった。

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今日は卒業式。
お前がここにいないのは、少し残念だが、もしお前がここにいたのなら、恥ずかしがり屋のお前の事だから、お父さんが手紙を読むあいだ中、下を向いてモジモジしていたかもしれない。

幼稚園の卒園式では、「卒園」と言う言葉の意味もわからず、お前は笑いながらその日を迎えた。
毎日幼稚園へ通うお前を見ているはずなのに、「いつのまにこんなに大きくなったんだ」と、改めて感じさせられたお父さんは、そのとき不覚にも涙した。


本当なら、今日ここでまた、そこにいるお前の姿を見て「いつの間にこんなに大きくなったんだ」と涙してしまうところだったが、お前に見られなくてよかった。 

お前が小学校に入学したのは2000年を目前に控え、世の中があわただしかったころでついこの前のことように思える。

背の高い6年生に手を引かれ、少し小走りでついてゆく、黄色いブカブカの帽子と、赤いピカピカのランドセルとを、交差点の向こうに消えるまで、お父さんたちは見送った。

去年の夏、お父さんと二人で天の川を見に行ったとき、お父さんは流れ星を見た。あっという間の出来事で、たいしたお願いはできなかったが、気が付けばいつのまにか、何かを祈っていた。

小さなお前の姿を、交差点の向こうに消えるまで、見送っていたあの時と、同じ気持ちで祈っていた。

最後の参観日は仕事で出席できなかったが、お母さんからお前が書いた手紙を見せてもらい、「お前もこんな手紙を書くようになったのか」と、少し気恥ずかしい思いで読ませてもらった。

おそらく今度、お父さんに手紙を書くのは結婚式のときだと思うが、今はそのときがきて欲しいような、きて欲しくないような複雑な気持ちだ。もし手紙を書くのなら人様の前で読んでも恥ずかしくない内容にしてくれ。
結婚式で読む手紙にしては、「風邪で寝込んだ私を徹夜で看病してくれた」とか、「夜中に病院を探し回ってくれた」とかそういう感動的なエピソードがないと思っていたけれど、今回はちょうどいいエピソードができたようだ。

卒業はゴールではない。
新しい道を目の前にして、自分自身に誓いを立てるときだ。そして心に持った目標を、決して見失うことのないように、下を向いてモジモジせず、勇気を持って一歩を踏み出して欲しい。
 

卒業、おめでとう。 

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うーん。
もう少し、上手く出来たかなーと思いつつも、「絶賛」だったので、よしとする。



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