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2005/05/05

        7.ゆるべん                  1999.7.5

「お腹がゆるゆるだ」と誰かが言った。
何気なく聞いてそのまま受け入れていたけれど、ちょっとまて。
「ゆるゆる」?お腹が?
お腹がゆるい?
ゆるいのは、うんこだろ?
そう思って書いたもの。

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考えてみれば病気によって括約筋そのものが緩んでいるわけではなく、便そのものが「水のようである」ということであって、そこから考えると「ゆるゆる」とは、「腹」を指し示すものでなく、「便」を指し示すということは容易に判断が付く。

しかし人によっては「ゆるゆる」という表現をもっぱら、腹に対して使う場合が見受けられる。

おそらくは「下り腹」「腹下し」などのように、その状態を指し示す言葉として「腹」そのものが多用されていたことから生じた誤用であると思われるが、「古くなった蛇口はいくらきつく閉めても先からポタポタと締まりなく水が出る」と同様にたとえて「腹がゆるゆる」と表現したのは無理からぬ事である。

また、「便」に対して「ゆるゆる」という言葉を使っている場合においても、その反対に、ひどい便秘であるような状態を指し示して「便がキツキツ」等というようなことはない。言うとすれば「便が固い」であろうか。
ただ、これはその反対語として「便が柔らかい」という言葉が存在することから考えても「ゆるゆる」の反対語とはなり得ない。

「パンツのゴムがゆるゆる」の反対語は明らかに、「パンツのゴムがキツキツ」である事は明白である。
ならばやはり「便がゆるゆる」なのであれば、その反対語は「便がキツキツ」であるべきである。
しかしながら今日においてそう言う表現は、ごく一部の地域を除いては市民権を獲得していない。

「便がキツキツ」状態は確かに存在するものの、便そのものに対して表現する方法がないのである。
むしろ「腹がキツキツ」と言う言い方によって、「便秘であり、便がキツキツ」と言うことを的確に表現しているのではないだろうか。

こう考えてみると、「ゆるゆる」は「便」に対して用いられ、「キツキツ」はむしろ「腹」に対して用いられることがわかる。
同一物(「便」あるいは「腹」)の全く正反対の現象を表現する方法としてその具体的対象の使い分けがなされる、めずらしい例であるといえよう。

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最近、うんこネタが多い。



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