カリント日記
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2010年4月1日(木) わたぬき
いつの間にかコートも不要になり、身軽に電車に乗る。
なんだか忘れ物をしているようで、妙に落ち着かないのがこの季節。
コートの中では目立つことのなかった財布や鍵も、上着に入れるとその存在感が嫌になるぐらいに増してくる。
気がつけば、すぐに暖房器具をつけたがる次女を除き、誰も暖房をつけなくなり、いつもは暖房器具の前に陣取っている我が家の猫も、少しでも暖かく平穏な居場所を探し、転々としている。
そういえば、日もかなり長くなった。
春分の日を過ぎたのだから、昼間のほうが長いわけで、日が長くなったのも当たり前なのだが、それでもついこの前まで、寒く暗い冬を過ごしていたような気がして、なんだかこの一週間程度での劇的な季節の流れに驚かされる。
4月は新しい一年の始まりでもある。
季節だけでなく、自分の気持ちも変わったような気がする、そんな朔日だ。
2010年4月3日(土) お花見
本格的にお花見をしたのは何年ぶりだろうか。
高校では毎年、この季節になると校庭に咲く自慢の桜をご覧いただこうと、近隣の方々を校庭に招いて、花見の会を催すのだが、もちろん禁酒である。
そこで、今年は「子ども会の役員さんたちの親睦を深めるため」と称して桜の美しい、自治会館で花見をした。
もちろん、飲酒し放題である。
普段は子どもを相手に行事を開催することも多いが、今回は役員の親睦を深めるのが目的であって、子どものお世話をすることが目的ではない。
だから、子どもをつれてくるのはかまわないが、基本は大人同士の飲み会なのだ。
場所を確保してあるので、子ども会の人たちは好きなように使っていただければいい。
焼肉セットを持ってくる人、お弁当を持ってくる人、おつまみだけのグループ。
いろいろな人が集まって酒を酌み交わした。
久しぶりに気持ちいのいい花見。
天気に恵まれたのは何よりだったが、また来年も開催したいと思う。
2010年4月11日(日) 一週間まとめて
慌しい一週間はあっという間に過ぎた。
5日は小学校の入学式で、会長としての挨拶。
さすがに一年生は小さい。
こんなに小さかったか、と毎回驚いているような気がする。
その後に役員会。
そのとき初めて今年度役員の顔と名前が一致した。
簡単な打ち合わせをして、仕事に出かける。
6日はたっぷり仕事。
7日は中学校の入学式。
午前中に中学校を訪れると、昨年まで小学生だった新一年生と再会。
私の顔を覚えていてくれる子どもも多く、顔を見て「うわ。おっちゃん。なんで?」とその場に私がいることを不思議そうに尋ねる子どももいる。
「また小学校の会長になったんや」と答える。
とは言っても、中学校の入学式では、来賓の紹介もなく、本当に座っているだけ。
午前中に終えた入学式の後は、やっぱり仕事。
8日は高校の入学式。
生徒の前では、来賓紹介のときに「おめでとうございます!」の一言を言うだけで、お役ごめん。
しかし、入学式の最後に、保護者向けにPTAの説明を行う。
いろいろな行事のことや、何より、委員になってほしいというようなこと。
以前は担任の先生から一軒一軒、自宅に電話してお願いしていたらしいが、それでは気の毒だということで、昨年より、私が説明して、協力してもらうようにお願いしている。
手前味噌ながら、そのお陰で、今年も一人の委員を残し、全クラスとも委員が決定した。
そしてその後は、気分よく仕事。
9日は飲み会。
仕事仲間と少し気を使いながら、それでもいつもの自分らしく周りを盛り上げながら。
10日は校区子ども会の会議。
あんまり内容のない後ろ向きの会議で、少々疲れた。
そして今日、11日。
久しぶりに家族で居酒屋へ行く。
近所の居酒屋は、子ども連れでも入りやすく、また、いつ行っても小学生がいる。
我が家の次女はバターコーンが好きでそれを独り占めして満足げだ。
私は、家族の笑顔を見ながら、お気に入りのビールを飲む。
忙しかった一週間だが、明日からもまた、忙しい一週間が始まる。
2010年4月12日(月) 子ども会の予算決定
月曜日に開催された自治会の定例会では、総会に向けての決算報告と次年度予算案を取り決めた。
子ども会の運営費は各家庭から集める会費よりも、自治会から割り当てられる運営費のほうがはるかに大きい。
だから、子ども会の運営費としてどれだけの予算を割り当ててもらえるかが、今後の活動を大きく左右することになる。
私が子ども会の会長就任直後に、「子ども会はよく活動してくれるから」と30%の運営費増額を果たしたが、今回はさらに12%ほどの増額をお願いする予定だった。
就任直後の予算から比べれば、1.5倍の予算だ。
会議は順調に進み、来年度の予算割り当てが消化されていく。
「では、次。水道光熱費」
「これはもう、40万ぐらい見とかんとしゃあないやろねえ」
「ほんじゃ、40万でよろしいですな。
ほな次、老人会の運営費」
「これなあ、老人会はどないかいなあ。活動のほうは」
「うーん、最近はあんまり活動してまへんなあ」
「わしゃ、5万ぐらいが妥当じゃと思うんじゃが、どうでっしゃろ」
「いやーそりゃやりすぎとちゃいまっか。もう、なしでもかまわんのと違いますか」
「そらちょっと気の毒でっしゃろ」
などとみなが口々に意見を述べる。
すべての支出項目において少しでも予算を少なくしたいというところだろう。
そして、子ども会のお母さん方が会議に出席できる時間も残りわずかとなってきたとき、いよいよ子ども会の予算が決められることになった。
「ほな、次、子ども会。
どないや○○君(私)。いくらいるねん」
「○○万円にしてください」
「ええかなみんな」
「かまへんでっしゃろ」
「ほな、それで決まり。次」
なんともあっさり決まってしまった。
理由もあったし、何を言われても答えられる準備もしていたのだが、肩透かしを食らったようだ。
ちょうど時間となり、子ども会のお母さん方も引き上げた。
それから1時間ほど、予算について話しをしたが、子ども会だけが増額を認められ、減額、よくても軒並み現状維持という結果になった。
今年も「よくがんばってくれた」といわれる、子ども会活動にしたい。
2010年4月15日(木) PTA総会で疲れる
今日は参観と懇談と委員総会があった。
平日の昼間の参観とあって、男性の保護者はほとんどいない。
担任の先生はPTAの書記を担当してくださっているが、授業を拝見するのは初めてだ。
先生の授業をどれほど理解できているのか、授業中のわが子の姿を見て考える。
わかりやすくてよい授業だと思った。
授業が終わると保護者と先生の懇談が始まる。
10数名がひとつの場所に集まったとき、ほとんどの場合最初にすることは、自己紹介だ。
たぶんそうなるだろうと思って私は先生の横に座る。
案の上、先生は「じゃあ、自己紹介を。ちょうど会長さんがここにいらっしゃるので会長から順に」という。
思ったとおりの動き。
懇談が始まり、先生が一人ひとりに悩んでいることなどを聞いて回る。
宿題をやらないこと、友達同士で悪いことをしたらどうしようかということ、どこの家庭にも同じような悩みがある。
そしてやはり私が一番最後。
最後なので、締めくくりの話をする。
懇談も終わって委員総会が始まる。
各委員の長副を決定するのが今回の総会の役目。
どのグループも滞りなく終了したと思ったら、ある委員さんたちだけ人数が揃わないという。
話を聞くと、今日、総会があることをその委員さんたちだけ配布されていなかったらしい。
とりあえずその委員さんが集まっている部屋へ行って校長先生とともにお詫びする。
資料の配布は先生の役目だが、PTA会長はその先生の代表でもある。
結局、くじ引きではあったけれども、その場にいた人たちで長副を決定することができた。
昼過ぎから6時間程度、学校にいたことになる。
さすがに疲れた。
2010年4月16日(金) 伝心
ついつい忘れていた。
今日は彼と会う日であることを。
彼と会うには、約束の時間や場所などはなく、空を見上げるだけでよいのだが、終日仕事に追われ、空を見上げる余裕がなかった。
夜、飲み会の帰り道、雨の中で転び、左手に怪我を負ったのは、そんな私への罰かもしれない。
昨年の日記を見るとその日は空白になっていた。
「ごめんごめん。いや、そんな、怒るなよ」と心でつぶやく。
でも怒っている顔を想像できない。
私の頭の中にある彼は、いつも笑っているからだ。
「今度はいつ、いこうか」などと考えはしているものの、忙しいことを理由にして、結局行動できていない。
おばさんや、おじさんにも、謝らないと。
2010年4月17日(土) 市子連総会にて
左手に絆創膏を6枚貼って、市子連の総会に出席した。
評議員と呼ばれる各単位子ども会の会長さんたちを集めての予算決算総会だ。
市子連の副会長が司会を、会長が議長を務めて議事を進行していく。
来賓は市教委の方々。
どこの総会でもそうだが、来賓の挨拶あと、議案が提示され、それについて異論を唱えられることもなく、拍手で了承される。
すべての議案が終わった後、常任委員たちが前に整列した。
会長が説明をする。
「えーここにおりますのは、常任委員と申しまして、各校区の校区長さんと、それから会長推薦ということで選ばれた人たちです。総勢で30名ほどおります」
30人が全員そろったことはないが、確かにそれぐらいはいそうだ。
校区が15あるので、校区長が15人、残りは会長推薦ということになる。
でも、会長推薦といっても、ほとんどが、校区長を退いた人が引き続きやっているだけで、校区長を経験していないのは、私ともう一人ぐらいだ。
それだけに、平均年齢もかなり高い。
やはり若い人の加入は難しいのか。
2010年4月18日(日) 二人だけの役員会
昨夜は久しぶりに嫁さんと飲みに出かけた。
子どもも一緒に友達の店に行くことはあるが、今夜はその店が貸切だというので、夫婦だけで近所の居酒屋に行った。
その店に入るには二回目だが、店員さんは気さくな人で、話もしやすい。
嫁さんと二人、テーブル席に腰掛けて、向かい合ってお酒を飲む。
その日の出来事をあれやこれや話しして、これからの予定をああでもないこうでもないと相談する。
私はいろんなところで役員をしているが、その考えの根幹は、こうやって夫婦で話し合った内容に基づくことが多い。
いわば、役員会前の役員会のようなものだ。
今年は小学校のPTA会長にも復帰し、嫁さんには今まで以上に負担をかけるのではないかと思うが、よろしくお願いしたい。
2010年4月19日(月) 愛の鈴
登下校の子どもたちを守るためのアイテムとして「愛の鈴」というものがある。
鈴のついたキーホルダーでランドセルにつけておくと、子どもたちが歩くたびにチリンチリンとかわいらしい音を出す。
子どもが歩いているということを周りの人が知るというだけでも、防犯に役立つのだ。
その愛の鈴の贈呈式が学校で行われた。
例年、忙しい時期なので欠席していたが、今年は都合もついたので出席することにした。
贈呈式というから、なにか目録のようなものを渡され、それを恭しく受け取る儀式かと思っていたが、見当違いだった。
校長室で待っていると、贈呈してくださる団体の方々がお見えになった。
簡単な挨拶を済ませると、担当者が私に尋ねた。
「紙芝居のお手伝いをお願いできますか」
多目的教室には新一年生が待機しており、その子どもたちの前で、この「愛の鈴」の説明を紙芝居で行うのだという。
子どもにはわかりやすいが、いきなり紙芝居の手伝いを、しかもセリフを言わされるとは思っても見なかった。
そして多目的教室へ。
子どもの前で挨拶をして、いよいよ紙芝居。
お約束どおり、交通安全を無視してしまうような悪いキャラクターとそれをたしなめる正義のキャラクターが登場する。
私はその正義のキャラクターの役目。
紙芝居の後半ではその悪いキャラクターも「愛の鈴」を手にして、交通安全を守ると約束をする。
一通りの説明が終わった後、「愛の鈴」の入った袋を、児童の代表に手渡した。
教室を引き上げようとすると、先生方が口々に「会長、お上手ですなー。迫真こもった演技に、びっくりしました」とおだててくれる。
まあ、子どもたちに伝えたい気持ちになって普段からいろいろ話をしていると、自然とそういう力は身につくのだろう。
そういう点では、学校の先生のほうが数段うまいはずなのだが。